D.C.IIISS ~ダ・カーポIIISS~
それから数十年。
リッカと清隆には、孫が生まれ。
初音島からは魔法使いが減少していき。
リッカ達は老けたもののよくしてくれ、その子や孫達も俺にはよく懐いていた。
だがその子達も俺達の元を離れていく。
月日が流れていくうちに、リッカと清隆もその寿命を終え、俺は一人ぼっちになった。
だけど俺は、諦めなかった。
禁呪を解呪する方法も見つかった。
だが俺は、すぐには試さなかった。
俺は、目指す時がある。
その時までは死ねない。
解呪したとき、俺の中の魔力が全て無くなっては本末転倒だ。
それでは彼女に会うまでに力尽きてしまう。
だから俺は、意図的に解呪をすることを止めていた。
いつかカレンを見つけた時。
その時に俺は、自分のなかの戒めを解く。
そのための準備を、この島で進めていた。
―そしてその時は、意外と早く訪れた。
作品名:D.C.IIISS ~ダ・カーポIIISS~ 作家名:無未河 大智/TTjr