休暇
鼻血こそ出ていないものの、その顔は本日最高レベルで真っ赤に染まっている。
少しの間そうしていたかと思うと
「…ズルイよ…」
ぽつり、とこぼした台詞の後、しおは綺麗にメイキングされたベッドにダイブした。
恥ずかしいやら嬉しいやらで、頭がぐるぐる回る。でも散々枕に顔を埋めて足をばたばたさせたあとに浮かんだ感想は。
しおはやおらむくり、と起き上がった。
ポケットから携帯を取り出し…画面をしばらく眺めてから再び閉じた。
ふと、窓を見上げる。
その顔は珍しく、何とも複雑な色に染まっていた。
同じ頃。
アダムは自室でシャワーを浴びながら何故か片手で顔を覆っていた。
理由は彼しか知らない。
まだまだ不器用な、そんな二人の恋愛模様。