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柴乃 導ヶ士
柴乃 導ヶ士
novelistID. 52201
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M.G.S the Markhor Fighter

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《..CALL..》
ーー今回のミッションは、米国陸軍が研究している新型兵器
…そう、"メタルギア"の情報入手と取得情報の公開。
覚えているかい? "シャドーモセス事件"のこと。
君が破壊してくれたメタルギア REXのこと。

今回の目的はREXと同じ系統のメタルギアだ。
本当に存在しているのかは定かでないし、
あったとしてもただの模造品【DeadCopy】かも。
だとしても、"僕たち"にとっては見逃せない噂だーー


伝説の英雄、シャドーモセス事件の生き残り…
過去はいつだって俺たちの一歩後ろを歩く。
例えばこの煙草の煙のように、火種があればいつまでも…
いつまでも俺の体に纏わり付いて残り香を染み込ませる。
だがどんなに眩い栄光であれ、過去は過去に変わりない。
それに、俺はそんなものに興味が無ければ良い気分もしない。

どこからか臭ってきた"残り香"、
その元種を全世界に公表するのが今回の作戦…
…いや、俺の"役割"なのやもしれん。


火種のついたまま、投げられた煙草が宙に舞う…
風が鳴る、何時ぞやに見たような凍てついた大地。
だが今回は"高さ"が違う…吹雪いた山岳地帯の上空だ。
ヘリの足に腰を掛け降下の準備を整える。
潜入任務とはいえ、現地調達は難しそうだ。
今や使い古しのMark.23の動作チェックと所持アイテムの確認
「(しまった、煙草は今ので最後か。)」
中止することもできずにただ舌を打ち鳴らす。

《いいかい? たとえ君でもこの降下は極めて困難だ。
気流が悪いうえに着地ポイントが少なく。陸路もない。
視界は吹き付ける雪で最悪、失敗しても回収できない。
降下中は常に身の周りに警戒してくれ。》

ああ。 状況の悪さに落胆するように、
皮肉を言わんばかりな二つ返事を返した。

切りつける寒さの中、ヘリからの単独降下…
山肌ギリギリでパラシュート展開しなければ、
気流に乗せられシベリアまで飛んでいきそうだ。
かと言って視界は見えて30m先がいいところ。
奴め、こんなところをよく行けと言ったな。

「!」
風に煽られポイントがずれた…
山肌を掠めるように飛び息を呑む。

パラシュート展開を確認。
それと同時にステルス迷彩をONに切り替える。
歩哨は確認できない…周りは無人のようだ。
着地ポイントを再度改め、減速を開始した…
当初ポイントから数百mは離れた位置で着地。
場所は違えど、無事着地でき一段落と言えたところか。

「待たせたな。」


作品名:M.G.S the Markhor Fighter 作家名:柴乃 導ヶ士