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柴乃 導ヶ士
柴乃 導ヶ士
novelistID. 52201
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M.G.S the Markhor Fighter

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page.3 接敵



「室内でM14? …少々マズくはないか?」
静寂から疑問の口火を切ったスネークは言う、
そもそもM14は狭い室内戦において不向きであると。
だが野球帽の男は手を大げさに仰ぎながら笑いあげ
"まぁ、見てろ"そう言いたげに目で語った。

男は銃身を横に倒し、乗馬撃ちをしてみせた後
振り切ったマズルで視界外のスネークが持つ煙草を叩き落とす。
スネークは身動きすらできなかった。"完璧な身のこなし"…
もし専用の銃剣が付いていればと思うと、冷や汗が出る。
彼は射撃から近接戦闘の一例を一本の銃で行う。
着弾痕も均等に並び正確に射抜かれている…
しかし、正規の軍で教わる撃ち方ではないということは確かだ。
"高度に訓練された兵士"…奴はいったい…
「その撃ちかた、どこで習った?」
「"荒野のウェスタン"さ」
答える気はないように、彼は大きくてを広げ首を傾げた。

「…いいか、スネーク。 ここからの潜入は難しい。
まずはこの近くのスノーモービルの格納庫に向かう。」
「そこから入るのか?」
「いや、そこと基地は直接繋がっていない。
定時哨戒を見計らってその隙に潜入し、格納庫を無力化する。」
「なんの意味が?」
「そこは外部哨戒を行う兵士の通信網を担っている。
基地に潜入する鍵はそれさ。 …"ひらけゴマ"だよ。」
先ほどのスノーモービルの件で格納庫から捜索隊が出されるだろう。
それを見込んでの狙撃だったと彼はその時に打ち明けた。
捜索隊が出る前に格納庫前に行き、バレないように入る必要がある。
先に説明されたMAPシステムのこともあり、そう簡単には行かないだろう…


格納庫のシャッターが少しずつ上がっていく…
中から兵士が二名、スノーモービルが二台それぞれ二人乗り。
格納庫のライトで照らされ視界は以前に比べて良好だった。
スネークとジョニーは積雪に身を潜めてチャンスを待つ…
スノーモービルのエンジンは暖気され徐々に確かな声を放ち始める。
"今だ"声は出さなかったが、同時に雪から身を這い出す。

スネークがライトを撃ち壊し、場を混乱させる。
少し進んだところで異変に気付いたスノーモービルの操縦士を
ジョニーが逃さず無力化、貫通弾で後ろの兵士を射抜いてみせた。
残る兵士はスネークが引き受ける…一人は麻酔弾で眠らせ、
引き金を絞る兵士めがけスネークは走った。
「!」
兵士の銃が弾け、あたりに部品が四散した。
ジョニーの射撃で敵兵を無力化、すかさずスネークが止めを刺す。
息の合った無駄の無い戦闘にオタコンも息を呑んだ。

投げ飛ばした兵士が雪に倒れると同時にステルス迷彩を起動、
ジョニーはクリアリングしてその後を追う。
入ると同時に感じる機械油とガソリンの匂い…生暖かい風が二人を包む。
いつしかシャドーモセスで見た戦車格納庫のようだった。

オフィサーがゆっくり珈琲を飲む姿が見える。
沢山のモニターが置かれた部屋に暇そうな通信手。
閉まっていくシャッターを誰もが見ていなかった…
格納庫の中はあまり広くなく、すぐに通信室が見える。
どうやら、彼らは潜入した二人に気付いていない様子。
チャンスと二人は通信室に直行し難なく無力化できた。
あまりに簡単過ぎてスネークは少し疑問に思う…
「おかしい、やけに人員が少ない。」
「スネーク…少し静かすぎやしないか?」
二人がモニターに目を向けた時だった。


『迷いネズミが掛かったようだな!!』
「!」
拡声器から出力される声が途端の壁を揺るがすと同時に、
シャッターが大きく揺らぎ引きちぎられる。
"罠だ"、そう言う前に揺れでバランスを崩し床に手をつけた。
「ジョニー、奴はなんだ!?」
「知らん!!とにかく何かでっかい人型のバケモンだ!!」
《スネーク、ジョニー!!あれは恐らく試作型の兵器だ!
どうやらメタルギア以外にもそこには様々な兵器があるらしい!》
「オタコン!!こんなのがあるなんて聞いていないぞ!?」
《僕だって今知ったばかりさ!!厳重なセキュリティをクラッキングしてね!!》
「口喧嘩は後にしてくれないか!?」

混乱する中、目の前の鉄の塊…BEASTが咆哮をあげる。
恐らく今ある火器では手も足も出ない。

スネークは体勢を崩したまま打開策を考えた。
作品名:M.G.S the Markhor Fighter 作家名:柴乃 導ヶ士