こらぼでほすと 二人1
もう、二ヶ月近くも前のことなのに、実弟は、じゃがいもを消費しつつ、そう叱る。時間差攻撃でマイスター組に順々にやられるとは思わなかった。
腹がくちくなると、説教が本格的になる。だいたい、あんたは自分の身体をなんだと思ってるんだ、と、叱られると、そういや、全員、これだなあ、と、なんだかニールは和んでくる。誰かが本気で心配して叱ってくれるというのは、なかなか嬉しいものだ、と、気付いたからだ。
「なに、ヘラヘラしてんだよっっ。俺は、あんたを叱ってるんだぞっっ。どうせ、俺の言うことなんて素通りしてんだろ? 」
「あ、いや、違うんだ。・・・あの、嬉しくて・・・」
「はあ? 」
「叱られるの嬉しいだけだよ。おまえから、そんなふうに構ってもらえるとは思わなかったから。」
ヘラヘラと嬉しそうに笑っている実兄の言葉に、ロックオンは、肩の力を抜いた。どこかが壊れているので、どうも違うように変換されて言葉が届くらしい。でも、実兄が嬉しそうに笑うから、それでもいいのかな、と、ロックオンも考えを改める。少し届いてはいるらしい。
作品名:こらぼでほすと 二人1 作家名:篠義