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こらぼでほすと 二人2

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『吉祥富貴』は、通常営業だが、本日のキラのお客様は先に八戒の施術を受けているので事務室でおやつを食べていた。
「確かに、あのシールド、慣れないと難しいね。」
「まあ、以前はハロが攻撃を感知して、それに連動して防御していたらしいからな。」
「ただし、ママの射撃の邪魔にならないようにってとこが、ポイントなんだよねぇ。そういう匙加減ってAI独特のシステムだし、普段から行動パターンを蓄積してたから可能だった部分だ。」
 汎用性の高いシステムだと、そこまで連動するのが難しい。マイスター一人一人の特性に特化させた機体だから、そういう設計になっている。それを誰もが搭乗できるようにするとなると、システムを大幅に載せ変える必要があるが、そこまではキラも手を出せない。
「一番いいのは、ママに特性を生かした防御方法を教えてもらうことなんだけど、それは無理だしなあ。」
「それはダメだ、キラ。ママニールに、あの機体は見せられない。とりあえず、うちのパイロット全員に動かしてもらってパターンを作ればいいんじゃないか? 地上でのミッション専用なんだし、蓄電池では長時間の稼動は不可能だ。完全に防御するというのは無理でも、ある程度のパターンをシステムに載せおくという方向なら、なんとかなるだろ? 」
「まあ、そんなとこだよね。高高度の射撃なんかだと、蓄電池の残量が足りないからできないだろうしね。地上でMSと戦う程度なら、なんとかなるかな。」
 設計理論がまったく違うから、キラたちのMSの防御とは方法が違う。だから、無理に弄れない。刹那たちも、そこまでは期待していないだろう。
「そう使うことはないんじゃないか? キラ。」
「使うなら、キュリオスのほうが汎用性は高いよね。・・・じゃあ、明日からラボにいる人間で、機動パターンのデータを収集する? 」
「それでいいだろ。シンたちも乗りたいだろうから連絡しておく。」
 『吉祥富貴』所属のMSパイロットたちは、普段から違う機体にも搭乗して訓練はしているから、どんな機体でも、ある程度は動かせる。みんな、組織の機体は搭乗してみたいと常々、口にしているからデータ収集の人員は足りるだろう。
「アスラン、ロックオンは、なんで連絡なしだったんだ? 」
 店表から悟空が戻って来た。坊主の客が退けたので、事務室におやつを食べに戻って来た。
「予定では、二日ほど、ラボで付き合ってもらうつもりだったんだ。だけど、ロックオンが休みたいって言ったんで、一端、寺に移動してもらった。」
「いつまで居るんだ? 」
「十日ぐらいじゃないか? この後、カタロンの本部に顔を出す予定があるらしい。」
 用意されていた生春巻きを、がぼがぼと噛みつつ質問する。寺で軽食は腹に溜めているから、これぐらいでいいらしい。
「リジェネがいないから、ちょうどいいよ、ごくー。ロックオンがママの相手をしてくれれば、ママも忙しいでしょ? 」
「そうだな。ママさ、散歩するのはいいんだけど、今日は途中で居眠りしてたらしいんだ。誰か一緒のほうが俺も安心だ。」
「居眠り? 」
「うん、公園のベンチで寝てたらしい。帰ってこないから、三蔵が捜しに行ったら、ベンチで寝てたんだってさ。さすがに、それは怖くないか? キラ。放置したら風邪引くだろ? 」
「ベンチ? それは危険だね、ごくー。それなら、ロックオンと歩いてもらえばいいよ。」
 三本目の生春巻きを口に放り込んで、悟空が、本日のママの行動について報告すると、アスランとキラも、うわぁーという顔になる。陽気のいい気候とはいえ、そんなところで居眠りこいて夕方になったら風邪をひくかもしれないからだ。
「悟空、ロックオンに、それ説明して散歩に同行するように頼んでくれるか? 」
「オッケー。言っておく。」
「それから、一時間で引き上げるように言っておいてよ? ごくー。ママの体力だと、それぐらいだってドクターが言ってたから。」
「ああ、そうだな。」
 店表からダコスタが、「そろそろ時間だ、キラ。」 と、声をかけにやってきた。キラの予約客が八戒の施術が終わって、フロアーに戻って来る。それまでに席に着いていなければならない。
「じゃあ、行ってくる。」
「おう。」
 キラたちが店表に出て、しばらくすると、施術を終えた八戒が事務室に亭主と戻って来た。こちらは、ロックオン来訪の話を聞いていないので、悟空が報告する。
「降りてたんですか。連絡がなかったから、気付きませんでした。」
「ほんとはラボで滞在予定だったんだってさ。今、うちにいる。」
「ちょうどよかったじゃないですか、悟空。リジェネくんが留守だから、ニールも暇にしてましたからね。」
「キラも、そう言ってたよ、八戒。」
「アホなら、手間もかかるし、ちょうどいいだろ。なあ? 八戒。」
「そうですね。家事の出来ない実弟なら、暇つぶしにもなりますか。・・・でも、ニールの取説は必要だと思いますね。悟空、きちんと説明しておいてください。」
「帰ったら、やっておく。」
 遺伝子情報の異常は完治しているが、それだけなので長時間の外出は無理だし、やはり雨だと体調が捗々しくない。そこいらは説明しておかないと、無理に連れ出したりされると困るので、そこいらは八戒も気になる。
「悟浄、今日、ハイネはラボですか? 」
「そうじゃないか。」
「ニールの取説は、ハイネにしてもらったほうが無難なんですが・・・戻りはいつか確認してください。」
 悟空がざっくり説明するよりも、ハイネが医療従事者の立場から説明したほうがわかりやすい。それはそうだ、と、悟浄もハイネにメールを入れる。ロックオンの機体がラボに収納されることになっているから、今夜辺りは、泊まりかもしれないが、そう泊まりばかりではないはずだ。ただいま、ニールの手を煩わせるリジェネが留守だから、なるべく寺に滞在している。
「返事がないとこみると、作業中だな。」
「じゃあ、追加で戻ったら取説をしてくれるように依頼しといてください。」
「了解。」
 ハイネに依頼しておけば、適当に戻ってやってくれるだろう。坊主も気はつけているが、大雑把なので、そこいらは間男のほうが安全だ。悟空は、次のお客の時間になったので、すたこらと店表に戻って行った。八戒のほうは、本日の予約は捌いたので、ここからは事務仕事だ。豪奢な包は脱いで、パソコンの電源を入れる。
「まあ、一息つけ、八戒。」
 亭主が、メールを送りつけると、ビールを差し出した。繁忙期ではないので、事務仕事は溜まっていない。三日に一度くらい、ニールが出勤して処理はしてくれているから、以前よりは仕事量は減っている。手渡されたビールに口をつけると、横から掻っ攫われた。
「悟浄? 」
「間接キス? 」
「今更、何を言うんだか。」
「いや、ちょっと奪ってみたくなった。」
 ちょっと疲れた顔で、ビールを飲んだ女房の顔にそそられたらしい。夫夫をやって、何年も経過しているのに、今だに、そんな時がある。このままキスをかまして、さらに欲情させたいところだが、さすがに事務室で、それは無理なので、とりあえず間接キスで我慢だ。
「そんなに疲れた顔してますか? 」
「まあ、三人も気功波を浴びせてれば、それなりに? 」
作品名:こらぼでほすと 二人2 作家名:篠義