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こらぼでほすと 二人4

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「知ってるよ。・・・・言うに事欠いて、なんてこと言いやがるんだ、このバカは。それなら、とっくの昔に、うちの女性陣がやられてるっちゅーのっっ。」
 もう一度、スパーンと叩いたら、卓袱台に干物が置かれた。もちろん、大根オロシもついているし、ソバ焼酎のほうじ茶割りなんていうハイネの好みのアルコールも配達される。他にも酒のアテ各種が用意されている。
「盛り上がってるな? なんの話? 」
「どんな下着だと盛り上がるかっていう男の欲望的な? ピチピチのカワイ子ちゃんがガーターベルトとかよくないか? ママニャン。」
「あれは、どっちかっていうとパンスト履けない人がつけるもんだろ? 若い子はつけないんじゃないか? 」
「パンスト履けない? 」
「ああ、アイシャさんみたく普段から銃を隠してるとかさ。その場合、パンストは履けないだろ? 太腿にガンベルトを装着してるんだからさ。・・・・と、アイシャさんが言ってたが? ヒルダさんも、そうらしい。」
「見たのか? アイシャさんの生足っっ。」
「・・・・見せられた。こういうふうになってるから、下着が面倒だってさ。ついでに、一緒に買い物に行くとランジェリーショップにも連れて行かれる。俺と虎さんじゃ趣味が違うから選べって言われても困るんだよなあ。」
「「はあ? 」」
「ああ、俺、男に該当してないんだってさ。弟が姉の買い物に付き合って、何がおかしいって。」
「よく、虎さんにフルボッコされないな? おまえ。」
「しねぇーよ。虎さんが、俺を指名してんだよ。俺なら安全だからって。」
「いいなあ。俺、見せてもらったことねぇーぞ。」
「おまえさんは、危険だからだろ? 奥の脇部屋に布団敷いておくから、風呂入ったら、そのまま寝ていいからな、ハイネ。」
 ミネラルウォーターのペットボトルを片手に、ニールは回廊へ出て行った。しばらく、無言でハイネとロックオンは足音を聞いていたが、二人して噴出した。
「ねぇーわー、人妻とランジェリーショップって。」
「見せられて、あの態度かよ? 兄さん、枯れすぎだ。」
 そこで、ハイネは真顔に戻る。そうなのだ。じじいーずは、みな、気付いているから、そういうことをやらかすのだ。
「おまえの兄貴な、本気で枯れてるんだ。だから、だよ。」
「は? 」
「うちの年上の女性陣に、何をされても、どうにもならないんだ。だから、みんな、弟ってことで可愛がってるってのが実情。そうじゃなかったら、歌姫さんや筋肉脳姫と同衾して寝るなんてできないんだ。普通は、手を出すだろ? 」
 そこまで言われて、ロックオンも気付く。元からなのか、死にかけたからなのか、そこいらはわからないが、まあ、そういうことであるらしい。
「だから、身体なんて、どうでもいいのさ。使いたいなら、どうぞ? ってなわけ。そんなの借りられるわけないだろ? 」
「ハイネ、それ、みんな知ってるのか? 」
「いいや、じじいーずだけだろうな。おまえの兄貴、いろいろと置き忘れてきたんだと思う。三大欲求全部、どっかに放り出してんだよ。だから、寺で女房やってるのが一番相応しいんだ。」
「全部? 性欲は、まあいいけど。食欲と睡眠欲も? 」
「ないだろうな。みんなが食べるから作るけど、一人にしておくと、全然、食べないし、誰かが傍にいないと寝られないのも、となりにいるのが寝てるから寝るんだと思う。そういう困った生き物なんだ。ここにいる時ぐらい、おまえに寄りかからせてやってくれな? ママニャンには自覚も何もないから、一緒に居て我侭言ってやるだけでいいからさ。」
「それで、リジェネは、ここんちに居候してるってこと? 」
「そういうこと。三蔵さんも手間がかかるけど、それほどじゃないんだ。リジェネも、ティエリアたちに言われてるんだとは思う。そうじゃなきゃ、ヴェーダで居座ってていいはずだから。」
「ディープに迷惑かけてるんだな? うちの兄。」
「それは違うぞ、ロックオン。ああやって、日常を維持してくれてるから、俺らも、ここで日常が満喫できてる。殺伐とした空気に曝されて、判断がおかしくなっても、ここに戻ればリセットされる。これ、かなり重要なことだ。おまえらだって、ここに降りれば、リセットされるだろ? そういう場所は、誰にだって必要だ。」
 所謂ところの故郷とかホームというものだ。それがあるから、『吉祥富貴』は、何があっても揺るがずにある。心配して待っていてくれると思えば、それだけで気持ちも冷静に戻すことが出来るのだ。
「刹那も、そうなんだろうな。」
「そりゃもう。あいつ、ここに居ると、ただの甘ったれな子猫だ。あれだけ派手な戦闘が出来るマイスターだとは誰も思わないな。」
「・・・そうか・・・ああ、ハイネ。金曜に兄さんとデートしたいんだが、それなりに高級な店教えてくれないか? 」
「食事もか? 」
「できれば、アイルランド料理を気楽に食べられるとこがいい。酒は、ちょっとお高め設定で。」
「うーん、いくつかピックアップしてデータを送ってやるよ。酒ってバーかクラブでいいのか? 」
「できれば、ホテルのバーがいいかな。ダウンされたら、そのまま泊れるだろ? 」
「・・・おまえ・・・近親相姦は・・・」
「あんたもかよっっ。やらねぇーよっっ。・・・てか、あんたら、俺をなんだと思ってるんだっっ? 実兄、喘がせて何が楽しいんだ。」
「ああ、そうなのか。おまえなら、なんでもありかと思ってた。」
「うわぁーひでぇーなあ。いくら、バイだからって、俺はビッチじゃねぇーよっっ。」
 わーわーと騒いでいたら、ニールが戻って来て呆れた、という息を吐いた。
「ハイネ、〆は? 」
「こんだけ食べたら、もういいや。」
「ロックオン、ハイネの相手してやってくれ。俺、ちょっと散歩してくるから。」
「いや、俺も散歩する。ハイネの相手なんかやってられねぇー。」
 そのまま出て行こうといる兄を追い駆けて、ロックオンも玄関に出て行く。それを見送って、のんびりとハイネは酒を呑む。十年以上離れていた双子だから、なかなか腹を割って話すことは難しいだろう。時間が経過すれば、それはそれなりの形になるというのが、じじいーずの見解だ。
作品名:こらぼでほすと 二人4 作家名:篠義