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機動戦士ガンダムRS 第41話 立ちはだかるもの

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ア・バオア・クーでは、ヤキン・ドゥ-エ攻略のため多くの艦隊が出入りをしていた。
「第1703遊撃艦隊は、第7軌道にて待機」
「第373、第179、第306遊撃艦隊は第2軌道に移動せよ」
「第2002補給艦隊、加速3.7ポイントで第432遊撃艦隊と合流して下さい」
「第3571補給艦隊到着。
定刻より10秒遅れです」
「軌道を上げろ、第581遊撃艦隊。
第195遊撃艦隊が発進するぞ」

             ※

 ドミニオンのブリッジでは、戦闘訓練が行われていた。
「センサーに感。
距離500、オレンジ14、マーク233アルファ、大型の熱量接近しつつあり。
戦艦クラスと思われます」
 CICがセンサーに映し出された仮想敵の座標と正体を報告した。
「対艦、対モビルスーツ戦闘用意。
面舵10、艦首下げ、ピッチ角15。
イーゲルシュテルン起動、バリアント照準、敵戦艦、ミサイル発射管、1番から4番コリントス装填。
バリアント、撃て」
 バジルール艦長が乗員に命令を出したがここに配属された者たちは、皆が新米でバジルール艦長が次々と出す命令の速さに対処しきれなかった。
そのため迎撃が間に合わずシュミレーションでは、ドミニオンは沈められてしまった。
「何をやっているか、貴様等。
対応が遅すぎる。
これでは、沈められるぞ。
分かっているのか」
 バジルール艦長は、乗員たちを説教を始めた。
「艦長、司令部より通信です」
 通信士からの報告にバジルール艦長は、説教を中止せざる負えなかった。
 ブリッジに将校とアズラエル大統領が入ってきた。
「すまないな、気合いの入っているところを」
 将校は、入ってくるなりバジルール艦長に謝罪した。
「いえ」
 バジルール艦長は、敬礼し気にしていないと答えた。
「紹介する。
こちらは、ユーラシア連邦国家元首のムルタ・アズラエル大統領だ。
元大西洋連邦所属の君もお名前くらいは、聞いているだろう」
 将校は、バジルール艦長にアズラエル大統領を紹介した。
「はい」
 バジルール艦長は名前、国防産業と深いパイプでつながっていることくらいしか知らなかった。
「この艦に配備された2機の最新鋭モビルスーツのオブザーバーとして共に乗艦する。
頼むぞ」
 将校は、バジルール艦長にアズラエル大統領が乗艦する理由を説明した。
しかしバジルール艦長は、これにあまり賛成ではなかった。
確かにこの艦は、最新鋭艦でありその性能はバジルール艦長も十分承知していた。
しかしそれを操る者たちは、新米でその性能を引き出せるか疑念を持っていた。
できることならアークエンジェルに乗艦してほしかったがそこは、縄張り関係の影響でできないことはバジルール艦長にもわかっていた。
「よろしく、艦長さん」
 アズラエル大統領がバジルール艦長にあいさつした。
「はい。
ナタル・バジルール少佐です」
 バジルール艦長も敬礼しあいさつした。
「しかし僕らの乗る船の艦長さんがこんなに若くて美人な方だってのは、粋な計らいってやつですか?」
 アズラエル大統領は、バジルール艦長の顔を至近距離で見ながらそういった。
「ご心配なく。
彼女は、優秀ですよ。
代々続く軍人家系の出です」
 将校がバジルール艦長の家柄を説明した。
アズラエル大統領は、意外そうな顔をした。
「それにここに配属になるまでは、あのアークエンジェルで副長の任に就いていました」
 将校は、バジルール艦長がユーラシア連邦に配属される前の所属場所を説明した。
「おや?
じゃあ勝手知ったるってやつですね。
期待しますよ。
諜報部の情報によれば死神たちは、宇宙に上がってきました。
おそらくここに我々がいることを察し討ちに来るでしょう。
でも今度こそ返り討ちにしてくださいね」
 バジルール艦長は、改めて上に立つものの重みを感じた。

                    ※

 サオトメとサウス中尉は、昼食のため通常食堂に来たが混雑していたため特別食堂にいた。
ここは、通常食堂より広く壁一面が有機エレクトロルミネッセンスのディスプレイになっており自然に囲まれた中で食事ができると人気が高くなかなかいけなかった。
しかし今日は、運よくすいていた。
「ここまですいているなんて珍しいことなんてあるんですね」
 サウス中尉は、感嘆とそういった。
「そうだな。
こまないうちにこの貸切状態を味わおう」
 しかしいついつものようにこむかわからない。
サオトメは、すぐに食事を始めこの貸切状態を思う存分味わいたかった。
「そうしましょう。
今の季節だと夏ですね」
 今は、夏といっても北半球では残暑の季節だった。
「四季というものは、素晴らしい。
その時その時の情緒を味わえるからな」
 サオトメが訓練を受けていた軍事コロニーでも四季は、あったためその時その時の情緒を楽しんだ。
逆に言えばそれくらいしか娯楽がなかった。
「それでは、さっさと買いましょう」
 サウス中尉がサオトメに一緒に昼食を買うように促した。
「ああ」
 2人は、カウンターに向かった。
 2人は、各々注文の品を持つちょうどいい席を探した。
「大きな樹が日差しをさえぎっているせいか思ったほど暑くは、ないですね」
 サウス中尉は、日陰に入るとそういった。
さすがに残暑といっても日向では、まだ長袖の軍服を着た軍人には暑かった。
「軍服もクールビズ方式にしないのかな?」
 サオトメは、着ている長袖のコロニー軍の軍服を見ながら嘆いた。
四季を採用したコロニーにある一般企業では、クールビズを当たり前のように採用していた。
「それは、ないでしょう。
軍の上層部は、一番頭が固い連中が多いですから」
 サウス中尉は、笑いながらサオトメの愚痴に答えた。
サオトメは、大きくため息をついた。
その時サオトメは、1人で食事をしているアイリス曹長を見つけた。
その場所は、日陰もある場所だったためサオトメは席を決めた。
「あそこの席にしませんか?」
 サウス中尉は、別の席を指さした。
「まあまあ。
男だけで食べてもむなしいだけだろ?」
 サオトメは、サウス中尉に意味深なことを言った。
サウス中尉は、サオトメが何を言っているのか解らなかった。
「任せておけ」
 サオトメは、得意げに言った。
「アイリス曹長」
 サオトメは、アイリス曹長に声をかけた。
アイリス曹長は、その声に振り返るとサオトメとサウス中尉に気付き立ち上がり敬礼しようとした。
しかしサオトメとサウス中尉は、止めた。
「隊長と中隊長もこれからお昼ですか?」
 アイリス曹長が2人に質問した。
「そうなんだが俺たちも相席してかまわないか?」
 サオトメがアイリス曹長の質問に答えると相席の許可を求めた。
「はい、構いません」
 アイリス曹長は、屈託のない表情で答えた。
「ありがとう」
 2人は、席に着いた。
しかしサウス中尉は、どこか疑惑を持った表情をしていた。
「失礼ですが隊長は、どこまでアイリスと進んだんですか?」
 サウス中尉がサオトメにひそひそと質問した。
サウス中尉は、2人がどこまで進展しているのか非常に気になっていた。
その質問でサオトメにいたずら心が芽吹いた。
「じゃあちゃんと紹介しておくか」