明日にはヒーロー
そのひ、おひさまは とてもうれしいことがあったのか、ぴかぴかさんさん かがやいていた。
にわかあめが ふるかもしれないから って あさは いえにいたけれど(でも にわかあめって なんだろう?)ひるごはんをたべても おひさまは にこにこしていて、おれは どうしてもって おねがいして ぼーるをもって かすかとそとに とびだした。
おれたちのいえのちかくには ぼーるであそべるばしょが ひとつしかないから、よく おれたちを いじめてくる いやなやつらと けんかになるんだけれど、そぉっとのぞいてみたら きょうのこうえんには だれもいなかった。
かすかとおれは すごくよろこんで、ひとりじめ、いやふたりじめだな! なんていって、きゃっちぼーるをした。でも かすかは まだちいさいから、あんまりつよく ぼーるをなげちゃいけないし、きょりがあっても だめなんだ。だからといって つまんないなって かおもしちゃいけないよ、なんて だれかがいってたきがする。おれはかすかとあそべるなら つまらなくないけれど。おとうとをきづかうのは おにいちゃんのやくめだもんな。
おれとかすかは きゃっちぼーるをして、おいかけっこをして、さっかーをして、かくれんぼして、とにかくあそんだ。きづくいたら おひさまは とっぷりしずんでて、それでもあそびたらなかったから あといっかい、きゃっちぼーるをしたらかえろう って ふたりではなしあった。
かすかも おれも きゃっちぼーるは うまいとおもう。もしかしたら しょうらい ふたりとも やきゅうせんしゅになれるんじゃないかって、じつは おもってるんだ。でもそのひ、おれたちは あそびたらなかったけど へっとへとにつかれてて、あせも だらだらながしていた。だからだったとおもう。
めずらしく、おれがりょうてでなげたぼーるが てで つるっとすべって へんなほうこうにすっとんでいった。
おれは「あー」っていって、かすかも「あー」っていって、ぽてぽてといってしまうぼーるを ひろいにいってくれた。おれは ごめんと あやまって、そろそろかすかに いえにかえろうかと いおうとおもった。そのときだった。
なにがおこったのか よく わからなかった。
きづいたら みぎのほうから なにかきてて、それはかすかのほうに むかってて、おれはなにか わからなくて、からだが ぱしんっとなって、なわとびで しめつけられたように うごかなくって、こえがでなくなって、なにかが、とらっく、が、かすかのほうに。
おれ、は、あ、ああ、