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EL高校の一年間 新学期・入学式編

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「そんなわけないでしょ。美術部に入部してることは、事実だけど」
「そ、そうなのか……」
 ジャブラはホッとしているように見せかけて、内心では非常に落胆していた。健全な男子生徒らしいことを微塵も考えていないのは、ルッチとブルーノとクマドリくらいなものだろう。当然だが、ハットリとファンクフリードは人数に入れない。
 だがカリファは、セクハラ共を少し喜ばせる発言をした。
「私はモデルをやってるけど、水着じゃないわ。ただ椅子に座ってるだけ。おわかりかしら?」
 ただそこに座っているだけでも、美術部員の男子生徒たちは異常なまでに描きたがるだろう。服装を勝手に変化させているかもしれない。そしてそのハレンチな絵は、黒歴史ファイルに忍ばせているかもしれない。
どちらにしろ、彼女が被写体をしていることは嘘ではないようだ。今日の放課後美術室へ行ってみようかと、本気で計画するスパンダムであった。

 男子に多大な劣情を与えたカリファの部活事情は、これにて終了。次は、最も気になる名前を持つ部に所属する男のところへ行きたいところだが。
『キーンコーンカーンコーン』のチャイムが、彼らをそこへ連れていってくれなかった。昼休みは終わり、楽しく勉強しましょうということだ。
 一斉に机を話す三組メンバー。そんな中、フクロウがカクに耳打ちした。
「チャパパー、放課後、おまえの部室へ行っていいかー」
「入部希望か? だったら、この用紙に書け」
 カクは、机の中から一枚の紙を取り出し、フクロウに渡そうと――しなかった。彼は差し出した紙を、フクロウの手に渡る寸前のところで引っ込めた。そして、それを元の机の中へ戻す。
「と、言いたいところじゃが、おまえには資格がない。このクラスでわし以外にある者といえば、スパンダムさんくらいなものじゃ。ハットリとファンクフリードもいけるかもしれんのう」