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さらさらみさ
さらさらみさ
novelistID. 1747
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疾風の剣士達

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剣を教えてくれと頼まれ、俺はメルヴィルとエリオットに剣の手ほどきをしていた。
どうせならヒューゴに教えたい、と思いながら。

稽古が一段落ついたので、俺はふと思い出したことがあって、二人に尋ねてみた。
「そういえば、以前クリス様がゼクセで『未来のパーシヴァルとボルスを見た』とおっしゃっていたが…まさか、君たちの事じゃないよな?」
すると、メルヴィルは答えた。
「えっ、そうなんですかっ?たしかに、クリス様の目の前で『聖ロア騎士団のポーズ』を恐れ多くもご披露したことがありましたけど…まさか僕たちのことそんな風に思ってくださっていたなんて、どうする、どうするよエリオット!!」
「ふんふん、ボルスさんのにおいがするなあ」
「人の話を聞け!!!」
ボルス狙いかエリオット。まあ、俺の知ったことじゃないが…あまりいい趣味とはいえないな。

「じゃあ、君たちのうちのどちらかが、俺というわけなのかい?」
メルヴィルはそう言われて頬を染めながら言った。
「え、恥ずかしいな…えーっと、アラニスは『銀の乙女』なんです」
「ほう」
まあ乙女だしな…クリス様よりは怖くなさそうだが。

「で、僕が『烈火の剣士』でー…」

「え」

メルヴィルが「疾風の剣士」じゃないのか?じゃあ、まさか俺はー…

「そしてこの僕、エリオットが『疾風の剣士』なんですよ!
つまり、あなたです!!!」
「なんとぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜!!!!????」

あまりにもあまりにもだったので俺はつい素っ頓狂な声をあげてしまった。そして俺は久々にキレた。
「寝言は寝てYeah!容姿端麗眉目秀麗鳳翼天翔立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花なこの俺がなーーーーにが悲しくてドラえもんとのび太を足して2で割ったようなしかもその年齢でスネ毛も胸毛も異常発達しているお前さんと一緒にされにゃならんのじゃあ!!大体お前は戦わんのだからどっちかと言うとポスト・サロメだろう!!そんな世迷言をのたまっているのはこの口か!?この口か!?あぁ!?」
「にゃにいっへるんれふかパーヒバルはん。ほっふりりゃないれふか」(何言ってるんですかパーシヴァルさん。そっくりじゃないですか。と言いたいらしい)
「なにい!?まだ言うか!!!」

「パーシヴァルさん!小さい子いじめちゃだめですよ!」
その時、折り悪く俺の可愛い仔猫、ヒューゴが走ってきた。
「もう。なにムキになってるんですか」
俺はエリオットの頬(つかみやすい)を引っ張っていた手を離し、
「いえ、これは違うんですよヒューゴ殿。この狼藉者がわたしを名乗っていたものでつい…」
と、言い訳した。
「ヒューゴさん、似てますよね?パーシヴァルさんとエリオット」
メルヴィルがヒューゴに言った。何を言うかと思ったら何を言うんだこの仔息子まで!!
ヒューゴは俺とエリオットをしばらく見比べて、
「うーん…そうだなあ、似ていなくもないかなあ…」と言うではないか!

俺はショックで3時間寝込んだ。(時間休)

 

ショックから立ち直った俺。
気を取りなおしてマイプシキャット・ヒューゴと遠乗りにでも行こう、と俺はヒューゴの部屋の戸を叩いた。
「どうぞ」
中にはヒューゴ一人のようだ。ならば遠乗りはやめて昼下がりの情事にしけこむのも悪くないな、俺は部屋に入った。
「あれ?エリオ…じゃない、パーシヴァルさん!」

ヒューゴ?今、なんと?
エリオ??

俺とエリオットを間違えたのか…?
「あ、ごめんなさい、なんだか気配がエリオットかと思って」

け、気配が!?

もうだめだ。

「パーシヴァルさん?何か、用事があったんじゃ…」
その声に答えることすらできず、俺はふらふらとその場を立ち去り…

再びショックで2時間寝込んだ。(ちょっと免疫がついたらしい)

 

だが、俺は立ち上がった。倒れても倒れても舞い上がる、俺は不死鳥なのだ。
ヒューゴの部屋へ行くと、ヒューゴはいなかった。もしや庭にいるのか、と思い、俺は2階のベランダから庭のほうを見てみた。
すると視界に入れたくもないのにエリオットがいた。メルヴィルは一緒じゃないようだ。
「ん?」
よく見ると鳥の陰にヒューゴが!
「パーシヴァルさん!」
なんと、ヒューゴが俺を呼んでいる!?こんな高い場所にいる俺を呼ぶとは!
やっぱり俺たちって…TSUNAGATTERUんだな!!

「違いますよヒューゴさん。僕はエリオットですよぉ」
「あ、ごめんごめん。やだなあ、最近間違えやすいや」
な、な、な、なに〜〜〜!!!???

俺はショックで1時間40分寝込んだ。(だいぶ免疫がついたらしい)

 

目が覚めると、俺は犬の横に座って、額に前髪を描いてやりながら考えた。
ゲ殿が「思いつめるな」と、横を通りすぎざまに言ってくれたようだったが一番思いつめていそうな人間に言われたくはない…

似ているのか?そんなにエリオットに似ているのか、俺は?

そういえば、あまり思い出せないが幼い頃はあのようなぼっちゃんズボンをはいていたような気がしなくもない…
そして、俺も豆のスープが嫌いだった…

考え込んでいると、件のエリオットがボルスを追い回しているのが見えた。
「ボルスさーん、どこにいるんですかあ?ふんふん、こっちにボルスさんのにおいがするぞ」
エリオットは空気のにおいをかいでボルスを探している。
「ボルスさ〜ん!僕の鼻から逃げられるとでも思ってるんですかあ〜?覚悟をきめて大人しく出てきてくださいよぉ〜〜」
ボルスはというと鳥の羽毛の中に隠れて震えている。見つかるのは時間の問題だ。
「や、やめろ!!来るな!!だ、誰か助けてくれ〜〜〜!!!」

俺は思いなおした。

俺があんな変態なわけはない!!!
やはり奴は成敗すべきだ、悪の芽だ!!気は進まないがボルスを助けてやることにしよう!!

「今助けるぞ、ボルス!!!」
俺はツークンフトを抜くと、エリオットの行く手を阻んだ。
「フン、誰かと思ったらパーシヴァルさんじゃないですか。僕に勝てるとでも?」
なんと、偉そうなエリオット!

「僕は皆の知らないうちに訓練を重ね、一日100ポッチ貯金で貯めた金で武器を16レベルまで鍛え、いつかあなたにかわってボルスさんの傍らに立つ日をずっと夢見てきたのです!!今、その夢をかなえるときだ!!ちぇえすとぉぉぉー!!!」
「別に俺は好きでボルスと組んでるわけじゃないぞ!替わってほしけりゃいくらでも替わってやるさ!
だが、俺は、俺自身の栄誉の為に、エリオット、貴様を倒す!!!」

エリオットは何気に強かった。
「やめろ!俺の為にケンカはやめろ!!」
勘違いするな、ボルス。
俺は自分の名誉の為に戦っているだけなのだ。

「あっ!!またケンカですか!!」
ヒューゴが騒ぎを聞きつけてやってきた。その時だった。
「かまいたちの術〜〜〜!!!!]
エリオットの必殺技が間に割って入ろうとしたヒューゴに炸裂!その名の通りかまいたちのような気流を生み出し、相手を切り刻む恐ろしい技なのだ。
「うわああああああ!!!」
「ヒューゴ殿!!!!」
俺は血相を変えてヒューゴに駆け寄った。
「ちょ、ちょっと!!!なんだよこれ〜〜〜!!!」
「え」
作品名:疾風の剣士達 作家名:さらさらみさ