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【再投稿】 渡り歩く理由は

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「まじ今吉有り得ねぇ」
 アイスコーヒーをすすりながら花宮は吐き捨てた。眉を寄せる山崎を無視してケラケラと笑う原を睨み付ける。
「そんなにひどかったのか?」
 涼しい店内でホットのブラックコーヒーを飲む古橋は至って通常運転だった。
「少なくともあと二週間は無理なレベルで痕つけやがった。腰も痛ぇし」
 なんなら上着脱いでやろうかと言えば、遠慮された。いや、こんな公共の場で半裸になるつもりもなかったのだが。
「夏休みにあと三人は片付けたい奴いたんだけどな」
 我慢するかとため息を漏らせば、山崎の顔がさらに歪んだ。
「なんでこんな奴が良いんだか」
「知るかよ。俺が聞きたい」
「つーか、今吉さん? っていう先輩もよく花宮に飽きないよね」
「はっ、そんなの俺が飽きさせないに決まってるだろ」
 原の発言に思い当たる理由を言い放ってやれば、全員の口元が引き攣ったことに気づく。花宮にしてみれば間違ったことを言ったつもりはなかったが、それも異常なのだろう。
 本気で理解できないという山崎に、くつくつと笑ってやった。
「なんだったら、抱かせてやろうか。ちったぁ、今吉サンの気持ちも分かるかもな」
「はぁ!? 嫌に決まってんだろ! 俺、まだ死にたくねぇよ」
 バンっ、と大きな音を立てて立ち上がると、テーブルの上に置いてあったドリンクが揺れる。その様子に原が笑い、古橋がなだめていた。
 それもそうだろう、次の日には花宮に連絡する気がなくなるくらいにされているのだ。
「にしてもさぁ。なんで毎回毎回、花宮の浮気がわかんの?」
「知らね。どーせ、メールの転送設定でもしてんだろ」
 興味なさそうに花宮が答えれば、げ、と低い声を上げる原。丁度、そのタイミングで花宮のスマートフォンが震えた。メールの送り主に書かれていたのは数日前に花宮を抱き潰した恋人の名前。
「わり、ちょっと呼び出し食らったから行くわ」
「おー、達者でな」
 メールの内容を確認し、アイスコーヒーを飲み干してから立ち上がる。イスにおいていたカバンを引っつかんで花宮はコーヒーショップを後にした。