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はろ☆どき
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REFes!ラリー用ペーパー【流れ星をとらえし者】編

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【記憶を喪った大佐は予想に反して寡黙で沈着だった】



記憶を喪ったロイは予想に反して寡黙で沈着だった。
日頃の飄々として人をくったような態度が殺がれ静かに座している様子に、周りからはそれが本来の――真面目に仕事をしている時のような――姿として違和感なく受け入れられているようだった。
しかしエドワード対する丁重で少しよそよそしい態度に、いつものいけすかない物言いや時おり見せる慈愛の眼差し、二人の時にだけ触れてくる仕草こそが見せかけだったのだと言われているようで、ひどく落ち着かない気持ちにさせられた。

ロイは常に寛ぐことなく気を張っている様子だった。あれでは神経をすり減らしてしまうだろう。睡眠もあまり取れていないようだ。もしかしたら戦争時に身についた習性が記憶のない今もそうさせているのだろうか。周りは全て敵と思え、と。だとしたらなんて悲しいことなのだろう。

できることならずっと側について少しでも気持ちを癒してやりたいとエドワードは思ったが、それは叶わないことだった。なにしろ自分達の関係は誰も知らないのだ。弟のアルフォンスでさえ。
日頃から反りが合わないとはばからず公言している自分に、看護の役など回ってくるはずもなく、人前では照れ隠しにかみついたり怒ったりばかりしていた自分を心底後悔していた。

できる限りの時間を当然のように付き添うホークアイを見る度に、エドワードはつきりと心臓が痛むのを感じた。立場だけではなく親身に接する彼女に少しずつ信頼をおいて話をする様子に、例えようもなく寂しさを覚えた。
そこに立つ資格は自分にはないのだと。あの笑顔はもう自分には二度と向けられないのではないかと。現実を突きつけられるようで。



記憶を喪ったロイは予想に反して寡黙で沈着で、エドワードにいつも穏やかな微笑みを向けた。



******

タイトルまんまなのですが。
記憶喪失話のロイって大抵素が出てちょっと我が侭でマイペースだよねーって思い、そうでないケースを考えてみたのがこちら。
戦場での記憶が…辺りで記憶がそこまで戻ったらとか考えたのが、記憶後退話に繋がったのかもしれません。