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流れ星 4

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南部が時計を見て1時を過ぎている事に気付きランチができるお店に入った。

  「ユキさんがずっと1位だったんです。でも実はユキさんでよかった、って
   思ったんですよ。他の連中だったらくやしいじゃないですか。特に加藤
   じゃなくて本当によかった、って思ったんです。」

突然加藤、という名前が出て来たもんだからユキが笑った。

  「なんで加藤くん?」(ユキ)
  「山本は見るからに頭よさそうじゃないですか。加藤、ってバカっぽいから。」

南部の言い方が面白すぎてユキが笑う。

  「そう?」
  「そう。あいつ、真っ直ぐすぎるでしょう?正直バカ、みたいな。」

思い当たる節が多すぎてユキは声を出して笑いそうになった。

  「でもあいつ、表はそうだけど頭の中でいろんな計算してるんですよ。すごい
   やつです。」

南部が真顔になる。

  「でも、ユキさん、真田さんとは初対面じゃなかったんですよね?」

南部はちょっと前にユキの保護者的な事を真田がしていたことを真田から直接聞いている。

  「真田さん?」(ユキ)
  「すっごい親し気だったからさ。第一艦橋のクルーは全員二人は付き合ってると
   思ってたんだから。」(南部)

ここでランチが運ばれてきた。テーブルの上には温野菜サラダとパスタが二人分来た。ふたりはいただきます、といいながらフォークを手に取り食事を始めた。

  「真田さんと居ると、不思議と心が安定するのよね。何も言われなくても
   大丈夫、って言われているような…そんな感じで…。ドクターからナースに
   進路変更した後から真田さんと一緒にいるんだけど本当に心強くて…。
   何度自分のお父さんが真田さんだったらよかったのに、って思ったことか…。」

何度真田に守られただろう…

  「ま、私もそうですが真田さんと比べたら誰も敵いませんからね。」

ユキは確かにその通り、と思う。

  「でも真田さん、女性の扱いはうまくないと思うわ。そこだけは南部くんが
   勝てそうね。」(ユキ)
  「え?何言ってるんですか。そんなわけないでしょう?」(南部)
  「だって真田さんに近付く女性なんて見た事ないもの。」

ユキが過去を思い出しても真田目当てにラボに通ってくる女性はいなかったような気がする。ヤマトの食堂で進などのメインクルー同士やブラックタイガー隊と一緒に食事をしている時のような刺すような視線を感じた事などなかった。

  「ヤマトで食事してる時は辛かった…かな。」

第一艦橋のクルーとブラックタイガーのパイロットは基本、人気があったから一緒に食堂にいるだけで結構な眼で睨まれた事がある。馴れというのは恐ろしいもので途中からそれも当たり前になってしまって気にならなくなってしまったが。

  「なにが?」(南部)
  「女性もいろいろ大変なんです。こんな風に南部くんと二人で食事なんて
   してたら戦闘班の女性からすンごい目で見られたんだから。」

ユキの言葉で察した南部。

  「ブラックタイガー隊たちもそう。古代くんがらみで結構一緒に食事する
   機会があって…少ないけど女性パイロットもいるでしょう?ロックオンした
   時、ってそんな風ににらむのかなぁ、って思うような眼だったのよ?
   ま、残念ながらそんな眼でひるむような森ユキじゃございませんが…」

ユキも進への気持ちを意識し始めていたので進と一緒に食事ができるのは嬉しかったし何より同世代で囲まれて食事をする事などほとんどなかったからヤマト亭で食べる食事が寮や中央病院の食堂で食べるよりうんとおいしく感じたのだ。

  「南部くんなんてモテちゃって大変だったんじゃないの?そうやってメガネ
   かけて女性除けするようになったのいつから?」(ユキ)
  「…いつから?だろう?」

  (月基地に行った時メガネ掛けてたからなぁ。)

背は小学校の頃から高かった。勉強もできたし運動神経もよかった上に南部財閥の跡取り息子として周りから見られていたから学校の女の子よりその父母の眼がすごかった事に気付いていた。

  “もし、自分の娘が気に入られれば!”

そんな野望の詰まった視線…南部は子供心にそれを感じ取っていた。小学校の時はそれなりのおぼっちゃま、おじょうちゃまたちが通う幼稚園から大学までストレートで行ける私学に通っていた。


たまたま行われた一斉テストで訓練予備生として訓練学校へ行ってしまったが…。


その訓練予備生の時太田と一緒になった。クラスの人数は6名だったが繰り上げ卒業したのは太田と二人だけだった。

  「あぁ…小学校の時、少し視力が落ちた時手術する前少しだけメガネかけたん
   ですよ。それからコレ、便利だなって思って。」

南部が懐かしそうに語る



作品名:流れ星 4 作家名:kei