機動戦士ガンダムSEED⇔ 第一話 「ヘリオポリスのアスラン
コロニー外壁から内部に通じるエア・ロックが開いた。
内部に潜入した工作員が上手くやってくれたようだとキラ・ヤマトは思った。
「ナチュラルは管理が甘いな」
部隊の仲間である、サイ・アーガイルが言った。
「楽勝!楽勝! サクッと新兵器とやらを頂いて帰ろうぜ!」
「トールは調子に乗らないの!」
それに続いてトール・ケーニヒとミリアリア・ハウも言った。
そんな彼らを見て、キラは微笑む。
作戦開始のプレッシャーが、仲間達のお陰で少し和らぐ。
「ヴェサリウスから、作戦は予定通り開始するとの連絡があった。 行こう」
赤いノーマルスーツ――これはロボットであるモビルスーツに対して出来た言葉で、人が着る宇宙服のことを言う――を着込んだキラが、同様のスーツを着た少年達に合図をした。
彼らは皆、ザフトの兵士。
Zodiac Alliance of Freedom Treaty――ZAFT(ザフト)。 自由条約黄道同盟の頭文字をとった、プラントの為の義勇兵である。
長引く戦争によって慢性的な人的枯渇に陥ったザフトは――いかに一人一人が、高い能力を持つコーディネイターであるとしても――年端もいかない少年たちまで最前線の兵士として徴用せねばならなかった。
しかしながら、彼らの着ていたスーツは、ザフト正規の緑色とは異なる真紅――。
特務隊に所属する、精鋭なのだ。
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キラ達がコロニー内に進入したことを知ると、ネオはナタルに目配せした。
「よーし、ボウズどもは無事に進入できたな、行こう! ……慎ましくな」
「了解!抜錨!ヴェサリウス発進する!」
「……発進と同時に機関最大! さーて、ようやくちょっとは面白くなるぞ、諸君!」
ヴェサリウスがコロニーに向けて動き出す――。
作品名:機動戦士ガンダムSEED⇔ 第一話 「ヘリオポリスのアスラン 作家名:内山ワークス