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機動戦士ガンダムRS 第42話 螺旋の邂逅

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情けないわよ」
 ストライクアヴェンジャーがユーピテルツヴァイに猛攻を加えた。
しかしユーピテルツヴァイは、意に反してフリーダムガンダムにビームライフルで反撃してきた。
キラ大尉は、その攻撃を回避すると再び敵を見失った。
しかし今度は、敵を速めに見つけラケルタビームサーベルを持ったまま接近した。
ユーピテルツヴァイがビームサーベルで切りかかってきたのでキラ大尉は、応戦しつばぜり合いになった。
「貴様か、死神や四天王を苦戦させたパイロットとは?」
 いきなり接触回線で通信が入った。
「しかし所詮この程度で苦戦するとしたらやはりそれがナチュラルの限界ということか」
 敵パイロットの話には、含みがあったがキラ大尉にはそれを考える余裕はなかった。
「どういうことだ?」
 キラ大尉は、素直に敵に聞いてしまった。
「コーディネイターは、ナチュラルに比べてあらゆる能力が凌駕している別種ということだ」
 それは、まるで自分がコーディネイターであるかのような言い方だった。
「そんな言い方をしてこっちに寝返る気か?」
 キラ大尉は、戦ってみて最初からこちらに就く気はないと気づいていたが一応聞いてみた。
「残念だが俺は、コーディネイターが憎い。
だからそれは、ない」
 キラ大尉の予想は、はやり的中した。
「キラ」
 その時ストライクアヴェンジャーから不安げなフレイ少尉の声が響いた。
「大丈夫だ、フレイ」
 キラ大尉は、フレイ少尉を安心させた。
「ならばなぜコーディネイターを持ち上げるようなことを言う?」
 キラ大尉は、敵パイロットが言っていることが解らなかった。
「コーディネイターかナチュラルで判断するお前たちでは、わかるまい」
 敵パイロットがそういうとユーピテルツヴァイは、至近距離から腕部バルカン砲を撃ってきた。
キラ大尉は、何とか回避しユーピテルツヴァイにけりを入れた。
蹴られたユーピテルツヴァイは、体勢を崩したがすぐに立て直した。


          ※

 シホ少尉は、こちらにイザーク大尉が来ているのに気付くとほっとした。
直後背後からユーピテルツヴァイがビームライフルで攻撃してきたのでシホ少尉もビームライフルで反撃した。

          ※

 テックス准尉は、つばぜり合い中に聞こえてきた敵パイロットたちの会話を偶然にも聞いてしまった。
(キラ・ヤマトにフレイ・アルスター?
これは、面白い)
 テックス准尉は、運命のいたずらを面白がった。

          ※

 コロニーメンデル近くのデブリベルトでは、整備員がドゴス・ギアの傷ついた船体の応急修理を行っていた。
「そこは、CLTペーストで塞いどけ」
「もう一発喰らったらお終いですよ?」
「だったらお札でも貼って当たらないようにするんだよ!」
 しかしドッグや工作艦での本格的な修理を受けられない以上満足な修理はできなかった。
「つまりB5線にブリッジブレーカーを並列増設させてバンク25のダイオードアレイと結線するんです」
 しかしそれでもパイロットも総出で艦の修理に全力を出していた。

          ※

 コロニーメンデル港内では、クサナギも艦載機の整備を行っていた。
「第2班、予備マニピュレーターの応力歪み測定を急がせろ」
 クサナギのブリッジオペレーターが命令した。
「アサギ機が戻ります」
 別のオペレーターがM1アストレイの動きを報告した。
「マゼラン級1隻にサラミス級3隻が反対側の港口のデブリの影にいます」
 皆は、チョムスキーの索敵が正しかったことに少々ショックを受けた。
アークエンジェル、クサナギ、エターナルとドミニオンはブリッジ間で通信を開いていた。
「もう1個艦隊が来るとは、また豪勢だな」
 バルトフェルド艦長が本艦隊2個にさらに遊撃艦隊1個を派遣されたことに苦い表情をした。
「η艦隊は?」
 キサカ艦長は、オペレーターに質問した。
「依然動きは、ありません」
 現在一番の脅威であるのは、η艦隊であるがそれが動かないと逆に無気味であった。
「イザーク大尉たちが何か情報を持ち帰られると良いが」
 バルトフェルド艦長が理想を言った。
「楽観視は、しない方が良いわね」
 ラミアス艦長がそうつぶやいた。
「おそらく派遣されたのは、遊撃艦隊でも激戦を生き残った強者艦隊ね。
戦場で敵の戦力を過小評価すればたちまちこちらが全滅します。
ですから少々過大評価した方がちょうどいいわ」
 ラミアス艦長の言葉にバルトフェルド艦長とキサカ艦長は、うなずいた。

           ※

 コロニーメンデル内では、ユーピテルツヴァイが羽付きガンダムと改良換装型ガンダムと戦闘を行っていた。
ユーピテルツヴァイが羽付きガンダムとつばぜり合いになった。
「君たち2人が来てくれてありがたいよ。
そうか、キラ君が前の換装できるモビルスーツのパイロットだったのか。
それであの死神が手こずるわけだ」
 テックス准尉は、全てを悟ったように相手に話しかけた。

           ※

 フリーダムガンダムとユーピテルツヴァイは、つばぜり合いになった。
「君たち2人が来てくれてありがたいよ。
そうか、キラ君が前の換装できるモビルスーツのパイロットだったのか。
だからあの死神が手こずったわけだ」
 キラ大尉は、気安く話しかけてくる敵パイロットに気分を害した。
その時ストライクアヴェンジャーがシュベルトゲベールを持ってユーピテルツヴァイに切りかかってきた。
ユーピテルツヴァイは、その攻撃を回避すると2機から距離を取った。
「何でここに来たんだ?」
 キラ大尉は、ストライクアヴェンジャーに通信を入れるとフレイ少尉に怒鳴った。
「キラが心配だったのよ。
危なっかしい上官を1人にさせるなんて出来ないわよ」
 フレイの意外な言葉にキラは、思わず笑みを浮かべたがすぐに軍人の表情に戻した。
「生意気言うからには、ここで死ぬな。
フレイが死んだらサイになんて報告すればいいかわからないからな」
 キラもまた生意気な口調で返した。
「さあ遠慮せず話を聞いてくれたまえ、始まりの場所で。
キラ君は、ともかくフレイさんにとってもここは関係ない場所ではないのだよ」
 通信から聞こえてきた敵パイロットの話にフレイは、機体越しでもわかるくらい動揺していた。
「引っかかるんじゃない。
敵の言うことなんか一々気にしないで」
 キラは、そう叫んでフレイを正気にさせた。

           ※

 イザーク大尉は、シホ少尉と合流してもう1機のユーピテルツヴァイに攻撃を加えた。
イザーク大尉は、ユーピテルツヴァイにシヴァを撃ったが回避された。
回避運動を続けるユーピテルツヴァイにシヴァを撃ち続けたが全く命中しなかった。
「挟み撃ちにするんだ。
これ以上戦闘を長引かせるわけには、いかない」
 イザーク大尉は、戦闘が長くなりすぎておりこれ以上戦闘を続けるのは好ましくないと判断した。
「了解、右に回り込みます」
 シホ少尉が右に回り込みユーピテルツヴァイにビームライフルを撃った。
ビームライフルの弾は、至近弾でユーピテルツヴァイは一瞬バランスを失いかけたがすぐに体勢をただした。