二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
はろ☆どき
はろ☆どき
novelistID. 27279
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

九十九と一の幽玄ー前編ー【スパーク9新刊】

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
どうしてこうなった――。



「いってぇ……」
 エドワードは一瞬失っていた意識を取り戻すと、呻くように一言呟いた。
そしてそろそろと目を開ける。目の前には闇という程ではないが、先が見通せない程には薄暗い空間があった。
 そっと身体を起こしながら全身の感覚を確認してみる。右手と左手を目の前でぎゅうと握ってからぱぁっと開く。どちらも問題なく動かせた。身体も特に激しい痛みなどなく、問題はなさそうだ。
 そこまで確認し、立ち上がろうとしてはたと気づく。
地面……というか、自分の下にあるものが土や石とは違う感触であることに。なんというか生暖かく弾力があるような。何かの上に自分は乗っているようだ、と。
 この状況を、可及的速やかに且つ危険を冒さず確認するにはどうするべきか。エドワードが頭をフル回転させようとしたその時、すぐ後ろから呻き声のようなものが聞こえた。
瞬時にエドワードは身体に緊張を走らせる。気を抜かぬよう「何か」を刺激せぬように、そうっと首だけ動かして後ろを振り返ろうとしたら――。
「咄嗟に身をていして庇った相手に、そう警戒されると少々傷つくな、鋼の」
 皮肉気な、しかし間延びしたような、自分のよく知っている声が聞こえた。
「大佐――!」
 自分が下敷きにしていたのは、東方司令部の国軍大佐で表向きには自分の後見人であるロイ・マスタングだった。