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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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鎧武外伝 仮面ライダー神武

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「ロックシードに変えて持っておけばいい。貴様みたいに養分を吸い出す食料にでもしておけばいいだろう。」
「それもそうだな。」
 これからのことを考えていた、その時だった。
 出てきた方と反対側にある茂みからインベスの大群が押し寄せてきたのだ。数はざっと二十体ほど。全て初級インベスだ。
「全く、こんな時に…。」
「葛葉を守るぞ。まだ倒れられるのは困る。」
「同感だ。」
 戒斗と知記はそれぞれベルトを取り出し、腰に装着する。また知記はライダーインジゲータを取り外し、ゲネシスコアを装着する。
「「変身。」」
『ブラッドオレンジ』
『アップルエナジー』
『レモンエナジー』
 ロックシードをベルトに装着し、知記はカッティングブレードを倒し、戒斗はシーボルコンプレッサーを押し込んだ。
『ミックス ブラッドオレンジアームズ 邪ノ道・オン・ステージ ジンバーアップル ハハァ』
『ソーダァ レモンエナジーアームズ ファイトパワー ファイトパワー ファイファイファイファイファファファファファイ』
 知記の頭上でアーマーパーツ二つが融合し、ジンバーアームズとなる。
 そして二人の頭上のアーマーパーツが覆いかぶさり、二人の変身が完了する。
 アーマードライダー神武、ジンバーアップルアームズと、アーマードライダーバロン、レモンエナジーアームズだ。
 ジンバーアップルアームズのジンバーラングには、リンゴの絵柄が描かれており、上が赤、下が緑色の下地をしていた。
「そのゲネシスドライバー、俺が前に使っていたやつか。へぇ、ゲネシスコアを変えるとライドウェアが変わるんだな。」
「なるほどな。ゲネシスドライバーは、そこまで戦極ドライバーと性能差があるのか。」
「…っと、こんな話してる場合じゃないな。」
 知記はそう言って前を見た。
 それに倣って戒斗も前を見る。
 インベスの大群はすぐそこまで来ていた。
「行くぞ、駆紋。」
「ああ。」
 二人は同時に走り出した。
 その途中で戒斗は手に持つソニックアローを逆手持ちに直す。
 そしてインベス達と激突する。
 それぞれソニックアローでインベスを切り裂いていく。時折互いを庇いつつ、怪物を薙ぎ倒していく。
 その時だった。
 バロンは目の前の敵に気を取られ、後ろから近づくインベスに気づけなかった。神武は目の前に敵がいなくなったため、索敵をした。すると神武のパルプアイが光り、知記の身につける仮面に全包囲の映像が飛び込んできた。
「駆紋、危ねぇ!」
 知記はとっさにソニックアローを構え、引き絞って矢を放った。その矢は戒斗を後ろから襲おうとしたインベスに直撃し、インベスを爆散させた。
 戒斗は振り返り、今起きたことを全て察した。
「…今のを借りだとは思わないからな。」
「勝手にしろ。」
 バロンはそれだけ言うとまたインベスを切り裂いていった。
 神武も同じくインベスを薙ぎ倒していく。
 …どれくらい斬り伏せていただろうか。
 いつの間にか神武とバロンは同じ場所に固まり、それを囲うようにインベスが円形を作っていた。しかしインベス達はそれぞれ疲労しているようだった。
「さて、仕上げだな」
「ああ。」
 二人はベルトからロックシードを取り外すと、それをソニックアローに取り付けた。
『『ロックオン』』
 神武はカッティングブレードを二回倒し、それぞれソニックアローを引き絞った。
『ブラッドオレンジオーレ』
 二人が矢を放つと、二人の頭上にレモンとリンゴの形をしたエネルギーが現れた。そのエネルギーから大量の矢が射出され、インベス達を一斉に駆逐した。後に残ったのは、二人のアーマードライダーと未だ眠る葛葉紘太だけであった。
「さて、どうする?これでやることは終わったが。」
 知記は変身を解除して戒斗に訊いた。
 同じく戒斗も変身を解除して答えた。
「やることは変わらん。オーバーロードを探す。」
「そうか。それじゃ、俺は俺でオーバーロードを探すことにするよ。」
「せいぜい無駄死にしないようにな。」
「互いにな。」
 戒斗は薔薇をモチーフにしたオフロードバイク型のロックビークル、ローズアタッカーを解錠して展開し、それに跨がって消えた。
 同じく知記もダンデライナーを解錠して展開し、それに跨がってその場を後にした。
 その一時間ほど後、紘太は目を覚まし、凰蓮・ピエール・アルフォンゾと出会い、斬月・真とともに人口クラック前に現れたオーバーロード・インベス、デェムシュを追うこととなる。そしてオーバーロードの存在を知った貴虎は、戦極凌馬、湊耀子、シドの三人に粛正され、そのゲネシスドライバーはその場に居合わせた光実に使われ、偽りの斬月・真として紘太を襲うこととなる。



 貴虎が死んだ。
 知記がその知らせを受けたのは、貴虎が粛正された次の日のことだった。凌馬からその知らせを受け、またシドが単独でヘルヘイムへ向かったことを知った知記は、いてもたってもいられず、せめて貴虎の遺体を収容してやろうとヘルヘイムへ乗り込んだ。
 いつものようにダンデライナーに跨がり、オーバーロードの捜索と平行して貴虎を探す。するとヘルヘイムの中で、見たことのない道を発見した。
「おかしいな。ここは何度も通ったはず。」
 知記はつぶやきつつその道を行く。しばらく行くと、ある程度広い場所に出た。ここも知らない場所だった。知記は怪訝そうな顔をしつつ先を進む。
「そろそろ来る頃だぜ、グリンフェは。」
 そんな声が聞こえた気がした。知記はダンデライナーを降り、歩いて先へ進んだ。
すると少し広い、まるで城のような場所に出てきた。そこには。
「貴虎!生きてたのか!?」
 何やら包帯らしきモノを巻かれた貴虎がそこにいた。
「知記か…。何故ここに…?」
「お前を探しに来たに決まっているだろう。それより、大丈夫か?」
「まあ、無事とは言えないな。だが、オーバーロードの王が俺を助けてくれたようだ。」
「オーバーロードの王…?」
 知記は怪訝そうな顔をした。
「ふむ、やはりここに辿り着けたか。」
 不意に、知記の耳に低い声が聞こえた。そこを見ると、白亜の色をした怪物が玉座に座っていた。
「お前が、オーバーロードの王か?」
「いかにも。我が名は、ロシュオ。」
 ロシュオと名乗った怪物は、続けざまにこう言った。
「久しいな、グリンフェ。<扉>を解放したおかげでここまで来れたか。」
 <扉>を解放した、とは先ほど見つけた見たことのない道のことだろう。だが、"グリンフェ"と言うのは何なのか。
「ようやく来たか、知記。これでいいんだろう、ロシュオ?」
「ああ。ご苦労であった、<蛇>よ。」
「サガラ!?なんでここに…。つか、蛇って…。」
 その男は、いつぞやの如く民族衣装を纏っていた。
「知記、今から本当のことを話そうか。」
 サガラは告げた。
 刹那、ロシュオの手に黄金の果実が現れ、その果実を知記に向けて翳した。
「戻れ、あるべき姿に…。」
 ロシュオがそう呟くと、黄金の果実から波動のようなものが現出し、知記を襲った。
「ぎっ、があああああああああああ!!!!」
 それを受けた知記は頭を抱えて発狂する。
 貴虎はただ見ていることしか出来なかった。