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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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鎧武外伝 仮面ライダー神武

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『ブラッドカチドキ オー』
 ベルトのロックシードを外し、ライダーインジゲータを戻して解錠したものを取り付け、錠を閉める。
『ロックオン』
 それを小刀で切る。
『ブラッドカチドキアームズ いざ進撃 エイエイオー』
 すると頭上に現れた球体が一度変形し、それが神武に覆いかぶさり、変形して全身を覆う鎧となった。見た目は(知記は知らないことだが)鎧武カチドキアームズによく似ており、赤い部分とオレンジ色の部分が元のそれとは逆転しているのが特徴だ。その手に現れたのは、同じく火縄大橙DJ銃。これもオレンジ色の部分が全て赤く変わっている。
 神武は火縄大橙DJ銃を縦に構え、ターンテーブルを回す。するとホラガイのような待機音が鳴りだした。それからツマミを<Low>の方へ回す。そうすると待機音が遅くなり、重々しく感じるようになった。再度ターンテーブルを回し、知記はそのままトリガーを引いた。すると火縄銃の銃口から大きな火球が発射され、レデュエへと向かっていった。
 レデュエはその火球を飛んで避けてみせる。
「野郎、これならどうだ!」
 神武はもう一度ターンテーブルを回し、今度はツマミを<High>に合わせた。すると待機音が早くなり、軽い感じのモノになった。そしてターンテーブルを回して今度はトリガーを引きっぱなしにする。刹那、銃口から細かい火球が大量に連続して発射されていった。
 神武はそれでレデュエを追う。
 しかしレデュエはそれを華麗に避け、時に植物を操って盾にし、攻撃を防いで見せた。そしてそのままの動きで神武に向かって突進する。
「そんなモノではないだろう、グリンフェ。」
「ほざけ!」
 神武は火縄大橙DJ銃の下にあるジョイントを引き出し、加えて無双セイバーを取り出してその刀身を火縄銃の銃口に入れる。すると元々グリップだったところに刃が現れ、ジョイントが畳まれていた場所に新しくグリップが現れた。火縄大橙DJ銃大剣モードだ。神武は火縄大橙DJ銃側のグリップを握り、その刀身でレデュエの攻撃を受ける。そのまま攻撃を押し返した。レデュエは吹き飛ばされ、傷を抱える。
「俺はお前には負けない。お前にこの世界は渡せない!」
 神武はベルトからロックシードを取り外し、それを火縄大橙DJ銃に取り付けて閉める。
『ロックオン イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン・オク・チョウ・無量大数』
 そして大剣を振り下ろした。
『ブラッドカチドキチャージ』
「おらぁ!」
 振り下ろされた大剣は斬撃を生み出し、その斬撃はレデュエに向かって飛んでいく。
 しかしレデュエは目の前にクラックを開け、そこから飛び出したインベスを盾にして攻撃を防いだ。
「何っ!?」
「私もここで倒れるわけには行かないんだよ。それじゃあ、また会おうか。生きていたらね。」
「おい!」
 そう言い残し、レデュエは姿を消した。
 知記は力無く腕を落とし、ベルトのロックシードの蓋を閉じた。変身が解除され、知記はロックシードを取り外す。そのロックシードを見つめ、知記はつぶやいた。
「…この力…まだ上がある気がする…。」
 知記は珍しく肩で息をしていた。そしてとてつもない疲労感に襲われた。



 知記がチーム鎧武のガレージに着くと、ちょうど貴虎と湊耀子がガレージから出てきたところだった。
「よぉ、貴虎、湊。」
「知記。」
「紅城君。」
 話を聞いてみると、どうやらどうして耀子がビートライダーズと共にいるのかを聞きたいらしく、貴虎が呼び出したというわけらしかった。
 ここまでの経緯はこうだ。こちら側の世界に深紅のオーバーロード―デェムシュ―が侵攻。それを捕獲するために凌馬がマスターインテリジェントシステムを発動して耀子の部隊が出動するも作戦は失敗。凌馬はユグドラシルタワーを脱出、それによってユグドラシルタワーは陥落。耀子はビートライダーズと共にデェムシュと戦うもその強さの前に再び敗北。しかし紘太が新しい力を手に入れ、その力でデェエムシュを撃破した。そしてそのまま耀子もビートライダーズと同行することにした。
 …と、言うことらしい。
 その説明を終えた後、耀子は貴虎に訊いた。
「よろしいのですか?私がここにいても。」
 その問いに貴虎は優しい言葉で答えた。
「経緯がどうであれ、今は人間同士で争っている場合ではない。君も貴重な仲間だ。」
 重ねて耀子が訊く。
「では、オーバーロードの側にいる人間は…?」
 それに貴虎は、今とは打って変わって重苦しい雰囲気で答えた。
「敵、そう判断するしかない。例えそれが、肉親であっても…。」
 そう答えた貴虎の顔は、何か思い詰めたような表情をしていた。
 そしてその場には、張り詰めたような空気が存在していた。
 そこで知記は今まで話を聞くために閉じていた口を初めて開いた。
「それじゃ、オーバーロードを裏切って人間と一緒に戦う奴はどうなんだよ?」
「えっ?」
 耀子は驚いたような表情をし、貴虎は真面目な表情で答える。
「もちろん、お前も味方だ。元がどうであれ、これまで共に戦ってきたという事実がある。それに、<王>の前であれだけはっきり決別すると告げたのだから、俺はそれを信じる。」
「そういってくれると助かるよ。」
 知記はホッとしたような表情をする。
 その知記に耀子は訊いた。
「あの、あなたがオーバーロードを裏切ったって、どういうことかしら?」
「ああ、それは―。」
 知記はここまでの一切の経緯を話した。自身がオーバーロードであったこと。<王>に決別するという宣言をしたこと。それに伴ってオーバーロードの一人に襲われ、それを撃退したことなど。それら全てを一度フェムシンムとしての姿に変身し、告げた。
 変身した瞬間こそ耀子は驚いていたが、後は冷静に話を聞いていた。
「…なるほどね。記憶が無いというのは知っていたけど、そういうことだったのね。そして、あなたの本名はグリンフェと…。」
 グリンフェは姿を人間に戻し、話を続けた。
「まあ、呼びやすい呼び方でいいさ。あと…。」
 急に、知記は真面目な顔になり、声を潜めた。
「この事は、ビートライダーズの奴らには言わないでおいてくれ。今俺の事を知ったら、あいつらは混乱しかねない。」
「それもそうね。私も今聞いて、結構混乱しているわ。」
「ああ、気をつけよう。それで、知記はどうするんだ?」
 知記は少し考え、貴虎と耀子へ向き直り、告げた。
「…俺は、オーバーロードを倒し、この戦いを終わらせる。これは、オーバーロードを裏切った俺が、元同胞としてやらなきゃいけない使命だ。」
 貴虎と耀子は静かに聞いていた。
「だから、ビートライダーズの奴らは、任せたぞ。あまり暴走させるなよ。」
「ああ。」
「ええ。あっ、これを持って行って。」
 知記が去ろうとした時、耀子が何かを投げて寄越した。
「通信機よ。それで連絡が取れるはず。」
「ありがとう、湊。使わせてもらおう。」
 知記はそれを上着のポケットにしまうと、自分の力でクラックを開き、その中へと入った。その跡には何もなく、残ったのは貴虎と耀子だけであった。
「あいつは、覚悟を決めたのだな。」
「ええ、その様ですね。」