かじみちつめ
そして、そして、このあとついに加地未知初のデートシーンが……!
串カツ屋?
庶民的な雰囲気のお店で、座敷席もあるけれど、加地未知はテーブル席で向かい合って食べてます。
私、予告でこのお店でのシーンを見て、未知子しか映ってないから相手は加地先生じゃないかもって思ってました。未知子の台詞から相手は加地先生なんだろうなって推測しましたが、あの台詞、他の医者にも言えるし……。それに、ふたりきりとは限らないじゃないですか。
だから、実際に見て、本当に未知子の向かい側に座っているの加地先生だし、そのテーブルにはふたりきりだし!!!!!!
デートじゃん!!!!!!!
一期見たの昔で、録画したの残してたわけではないし、DVDとか持ってるわけじゃないので、うろ覚えになるんですが、加地先生が未知子の第一助手を務めて結局ふたりで手術したみたいな感じになって未知子からお礼を言われたりしたあと帰ろうとしている未知子を加地先生が自分の車に乗せて海の見える公園に行って話をして、それから加地先生は未知子を食事に誘ったけど未知子は「(医師免許なくてもできることは)いたしません」ってきっぱり断ったんじゃなかったっけ?
それがなぜ!!!!!?????
なぜ未知子は加地先生と……!?
だって、これ明らかに仕事外じゃないですか。医師免許無くてもできること。
時間になったらさっさと帰ってしまう未知子が、なんで食事に付き合ってるんですかああああああ?????
未知子にしたら、異例中の異例の対応じゃないですか!
それだけ加地先生は特別な存在ってことですね!
そして、加地先生。
二年越し?の念願叶っての、未知子とのデートですよ!
良かったですね!!!!!
というか、病院からこの串カツ屋にたどりつくまでの映像がほしいです。切実にほしいです。
どういう流れで、病院からの帰りに、ふたりで食事をすることになったのか!
このお店に来るまでのあいだのふたりのやりとりとか!
ものすごーーーーーーーく見たいです!
実は撮影はしたけどカットしたというのなら、その未公開映像を放送してください!
さて、話にもどって。
未知子は長くて綺麗な脚を惜しげも無くさらしながら、串カツを豪快に食べている。
加地先生は手に持った串カツを未知子のほうに向けながら言う。
「いけんだろ、この店」
このお店のチョイスは加地先生だったみたいですね。
すると、未知子は。
「だからなに?」
と即座に言い返す。
流れ不明なんですが、察するに、加地先生は未知子に話しがあると言ってこの串カツ屋につれてきたってことでしょうか?
まあ、それでも未知子の場合、通常なら断りますよね。話なら病院でもできるし。
そして、加地先生の近くにあるジョッキのビールは三分の一ほどしか残っていない。まあ、一気に三分の二を呑むひともいるでしょうけれど……。
ああ、でも、だからなに、って台詞、用件をたずねたのではなく、単にこの店がイケてるとしてもだからなんなのよ?ってことなのかもしれませんね。
加地先生は一瞬黙ったあと、話し始める。
「おまえさ、三年まえのオペ、俺がミスったと思ってんだろ?」
予告にもあったこの加地先生の台詞、やっぱり相手は未知子だったんですね!
未知子は加地先生に眼を向ける。
「そーなの?」
この軽い感じの問いかけが、加地先生が重く感じないように気遣っているように思えて、加地未知沼は深いです。
即座に加地先生は言い返す。
「バカヤロ。俺は腹腔鏡の魔術師だぞ。ミスるわけないだろ」
どうやら加地先生は未知子に自分は失敗したのではないと主張したくて食事に誘ったようです!
未知子にわかってほしかったんですね!
そして、それを聞いてあげる未知子!
この回、本当に未知子から加地先生への慈しみに満ちてる……!
「そーなの?」
「どんな完璧なオペをしたって、また具合が悪くなれば、患者は医者が失敗したと思う。ざけんな!っつーの!」
加地先生は荒っぽい言葉を吐き捨てる。
心荒れ模様ですね。
それに付き合ってあげている未知子。慈しみ……。
「転移するかしないかは、患者の運。そりゃ今の医学、どーにもなんない」
そうなんだ、やっぱり加地先生は失敗したわけじゃなかったんだ……。
というか、この未知子の台詞、さらっと言ってるけど、加地先生を気遣ったものですよね?
「そーいうことだよ」
「だから自分の責任ではない」
「とうぜんだろ。だいたいこっちは何千人と患者を診てきてんだ。いちいちひとりひとり覚えてられっかっつーの」
そう加地先生が言うと、未知子は驚いたように眼を大きくして加地先生を見る。
「そうなの?」
「んっ?」
「私は覚えてる」
加地先生はあっけにとられたような顔を未知子に向ける。
「マジかよ」
未知子はあきれたようにため息をついた。
「あんたにすれば、あの患者は大勢のなかのひとりかもしれないけど? 患者にしたら、医者はあんたひとり!」
厳しい口調で言って、その指先を加地先生に突きつけた。
加地先生は胸を打たれているような表情になる。
……加地先生可愛い、可愛いよ……。
「大っ嫌いなんですけど!」
吐き捨てるように未知子は言うと、横を向く。
「なにが?」
加地先生は問いかける。
未知子は加地先生のほうを向き、語気荒く答える。
「串カツも、そういう医者も!」
言い終わるとすぐに未知子はイスから立ちあがった。
「どういう医者だよ?」
ふたたび加地先生は問いかけたが、未知子は去って行く。
よくわかっていない加地先生は未知子の背中に向かって言う。
「え、おまえ、串カツ、苦手なの? 店変えようか?」
……この、よくわかっていない、ピントのズレたこと言う加地先生可愛い、可愛いよ……!
未知子は振り返り、カツカツとヒールの硬い音を響かせてテーブルまでもどってきて、加地先生の近くに立って冷たい表情で告げる。
「いたしません」
そして、去って行く。
加地先生は食べかけの串カツを片手に未知子を見送る。
……か、可愛い……。
その表情は苦いものとなり、眼を伏せる。
落ち込んでいるのかと思いきや。
加地先生は視線の先にある串カツの食べ終わった串の入った容器に手をやる。
その容器を自分のほうに引き寄せてじっと見て、つぶやく。
「そのわりにはものすげぇ食ってんじゃん」
どうやら未知子が食べ終わった串が入った容器だったみたいです。
数えてみました。
見間違いでなければ、二十七本です!
たしかに、ものすげぇ食ってんじゃん、ですね!
これで串カツ嫌いとか説得力なさ過ぎる。
まあ、あれですね、串カツは嫌いじゃないけど、「そういう医者」だけを言いたくなかったから、つい串カツもって言ったんでしょうね。しかも、串カツのほうを先に。
あの未知子がハッキリ言わないあたりが……、もう……。
わけがわかっていない加地先生と、プリプリしている未知子が可愛すぎる。
ええっとですね、加地先生の弁護をしますと、単純に脳のキャパシティの問題だと思うんですよね。
医者をやっているうえでたくさん覚えていないといけないことがあって、何千人と見てきた患者ひとりひとりまで覚えていられないってことなんじゃないかなと思います。