二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

かじみちつめ

INDEX|29ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 

いや、単に患者と看護師なんだけど、妙にしっくりくる光景で……。
麻雀のついでに着替えを届けてもらっていたそう。
未知子が晶さんに自分が手術すると言うが、晶さんは断る。
「手遅れってやつ」と晶さんが未知子に告げたとき、白木看護師長は部屋から出て行きかけていたのを振り返って晶さんを見る。
その表情がなんかもう……。
晶さん×白木看護師長という新たなドアを開きかけてしまいました……。

泣きながら部屋を出た未知子は病院の廊下を歩く。
ここに加地先生がいてくれたら……!
と、加地未知に結びつけてしまって、すみません。でも、何度見てもそう思うので。

ふたたび、晶さんの病室。
部屋は夕暮れ色。
晶さんのベッドサイドには白木看護師長がいる。
「おつらいところは?」と白木看護師長が聞くと、晶さんは手で胸を軽く押さえ「ここが少し」と答える。
白木看護師長は晶さんのほうを見てかすかに笑う。
いい光景ですね……!
そして、十五年まえ、未知子がキューバにいた晶さんを訪ね、助手になったころの話になる。
そのときの未知子は外科医のセンスは抜群だったけど愚図で気が弱かったみたいです。

神原名医紹介所に帰った未知子もキューバ時代を思い出していた。
助手になったばかりの未知子に晶さんは告げる。
「一番大事なのは、どんなに厳しいオペでも決して患者を見捨てないこと」
思い出のなかの未知子は無言でうなずく。

国立高度医療センターの食堂。
未知子が髪の毛をいじりながらイスに座っている。
そのテーブルをはさんで向かいに座っているのは……!?
なにか食べてるあの後ろ姿は……!
「俺のおごりだから食えよ」
加地先生!!!!!!!!!!!
うわああああああああああああああああ!
念願の夕食デートが来たと思ったら、最終回にはランチデート来たーーーーーーーーーーー!
ありがとうございます! 公式様!!
でも、未知子は髪の毛をいじったままよそを向いて「いい」と短く断る。
断りつつも、素っ気ない態度を見せつつも、なんで未知子は加地先生の向かいに座ったままでいるのかなー?
食べる気もないのに、なんでそこにいるのかなー?
加地先生は未知子のまえにある器のほうを指さして言う。
「えび天二本だぞ!」
未知子は返事しない。無視状態。
すると、加地先生は舌打ちする。
「大門、蛭間十一郎のオペに力貸せよ」
ええええ、加地先生、難しいオペに力を貸す代償はえび天二本なの!?
ケチくさっ……。
って、思ってはいけません!
未知子にはそれでいいんです!
あの原先生レギュラー復帰回、ジャーナリストとオペラ歌手の手術を行った回、四話、未知子は他のひとが食べているのを見て「えび天つければ良かった」と後悔し、さらに、柱に貼られたえび天メニューの価格を見て「高い」と言ったんですよね。
未知子はえび天が好きで、未知子の感覚だとえび天は高いんです!
ちなみに、えび天は百八十円ですよー。
これ書くために確認しました。
あれがここにつながってくるとは!
未知子が「えび天つければ良かった」と言ったときも「高い」と言ったときも、加地先生は未知子の近くにはいませんでした。
でも、未知子がえび天が好きなことを知っているんです。
まあ、「高い」と未知子が言ったときにそばにいた原先生から聞いたのかもしれませんが。
それにしても……。
加地先生が未知子の好みを把握しているうううううううう!
これって大きいですよね!
未知子の好みを把握して、どうやって釣ればいいかわかってるんです。
他の先生たちっていうか、えらいさんたちは高級焼き肉で釣ろうとして、未知子はそれを喜んでいっぱい食べてますが、だからって釣られはしない。
そりゃ、えび天よりも高級焼き肉のほうが好きだろうと思いますが、未知子の感覚に合わせると、えび天二本!!!
このわかってる感がたまりません!
え、いつのまにそんなにわかっちゃたんですか?
もしかしてランチデートを重ねていたんですか、テレビに映ってないあいだに?
ああ、帰りにふたりで夕飯食べに行ったりもしてるんですね、何度も!
例の串カツ屋では未知子が途中で帰ったから加地先生のおごりだっただろうし(まあ、加地先生はもとからそのつもりだっただろうけど)、お気に入りのみかんわけてあげたり、えび天二本おごったりと、加地先生がじわじわと未知子を餌付けしつつあるのが楽しいです。
病院では一匹狼な未知子が微妙になつき始めている気がします。
だって、食べる気ないし蛭間先生のオペに力を貸す気もないようなのに、加地先生の向かいの席に座ったままでいるし!
では、話をもどします。
未知子は加地先生に蛭間先生のオペに力を貸すように言われて、よそを向いたまま髪の毛をいじりつつ、ため息をつく。
加地先生はうどんを少し食べたあと、抑えた声で問いかける。
「おまえのマネージャー、入院してんだろ」
加地先生、晶さんが入院してるの知ってた!
未知子にバレた段階で、他にもオープンにしたのかもしれませんが……。
でも、知ってるだけじゃない。
気にしてる、というか、気遣ってる!
加地先生が未知子を気遣ってるよーーーーーーー!
うどんを少し食べたあとに何気ない感じで話を切り出したりして、加地ちゃん!
いったい、いつになったらお互い素直になるんですかね、このふたり。
未知子は横を向いたまま答える。
「天堂が主治医で、あたしは手を出せない」
加地先生は一瞬驚いたように言葉を詰まらせ、そして本当に同情した表情になる。
「それはちょっと、あんまりだよなぁ」
「だから、そんなときに、あんなヤツのオペなんてできないの!」
未知子は一瞬だけ加地先生を見て、告げた。
すると。
加地先生は箸を大きな音をたてて置いた。
「らしくねぇなぁ、デーモン!」
「あたしらしいってなによ?」
未知子は加地先生を見て問いかけた。
加地先生はトレイの両脇にそれぞれ握り拳を置き、未知子を見据えている。
そして、答える。
「おまえは患者を選ばない。金持ちも貧乏人も、悪人だろうとだれだろうと、完璧なオペをする。だから、失敗しないんだろ」
「じゃあ、なに」
未知子は加地先生のほうに身を乗り出す。その眼は真っ直ぐに加地先生をとらえている。
「あんたらしいってなによ?」
未知子は加地先生が正面に来るように座り直して、胸の下で腕を組んで、問いかけた。
「決まってんだろ」
そう言ったあと、加地先生はふたたび箸を手に取る。
それから続ける。
「患者のまんじゅう目当てだよ」
悠然と答えると、うどんを食べ始めた。
そんな加地先生を未知子はじっと見ている。
少しして、未知子はさっき向いていたのとは反対方向に顔を向ける。ガラス越しに外が見える。その外を未知子は眺める。
で、場面が切り替わるのですが……。
そのまえに……。
加地先生に旦那度が発生しましたーーーーーーーーー!
これまで、未知子にオペ室でダメだしされたり、わけてあげようとしたみかんを落とされたり、寝顔見つめていたら顔を叩かれたりと、不憫な妻なようだった加地先生に、ついに旦那度が!
加地先生が未知子を諭した!
しかも、ぜんぜんえらそうじゃない、うまい感じに!
うわああ、いい旦那さん!
作品名:かじみちつめ 作家名:hujio