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かじみちつめ

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最終回予想



「どーよ」
未知子は思いっきりドヤ顔を加地に向ける。
腰に手をやり、どーんと立っている。
今ふたりのいる場所は式場の待合室、未知子が着ているのはウエディングドレスだ。
「はいはい、よくお似合いですよー」
平坦な声で加地が言った。
未知子はむうっとした顔になる。
「なにそれ。それが、結婚式に新郎が新婦に向かって言う言葉? 普通、世界で一番君が綺麗だとか言うんじゃないの?」
「オマエね、俺がそんな台詞言ったら爆笑するだろ?」
そう加地が指摘すると、未知子は表情を崩した。
「うん、爆笑する。思いっきり笑う。大爆笑する」
明るい笑顔。
綺麗だ。
たしかに世界で一番綺麗だ、自分にとっては。
なんて思ったけれども苦々しい顔を作って、加地は言わずにいる。
けれども、胸の中に幸せが広がって、じーんと心にしみていくのを感じた。
のも、つかのまのことで。
「あの!」
式場スタッフが慌てた様子で待合室にやってきた。
「新郎新婦様はお医者様なんですよね……!?」
「そーだけど?」
軽い口調で答える未知子のそばで加地は嫌な予感がした。
式場スタッフは言う。
「近所で爆発が起きて、けが人が多数出ているようなんです! 重傷の方もいらっしゃるようで!」
「わかった」
未知子は真剣な顔つきになり、きっぱり告げる。
「すぐ行く」
そのそばで、加地は視線を斜め下へと落とした。
「……ウン、なんとなくこうなるような気がしてたんだ、コイツといたら、なにかオペ的なことに巻き込まれるような気がしてたんだ……」
「なにぶつぶつ言ってんの、早く行くわよ! 第一助手!」

ハネムーンでも、きっとある。




作品名:かじみちつめ 作家名:hujio