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敵中横断二九六千光年2 ゴルディオンの結び目

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「そういうことだな」と言った。「やつらは〈ヤマト〉を外宇宙に出したくない。迂回されては困るのだ。我々としても迂回はできん。ここで〈スタンレー〉を避けたら、地球に残る人々はますます〈ヤマト〉は逃げたと考えることだろう。いいや、そもそも最初から居もしなかったと言うだろう。絶望して狂信に走り、内戦を激化させることになる。これはすでに滅亡が確定したも同じなのだ」

「今日が〈人類滅亡の日〉……」相原が言う。「地下の人々は、すでにそう言い始めているようです。そのような声が〈ヤマト〉にも届いています」

「だろうな。しかしそうはさせん。今日に絶滅したのであれば、明日に生き返らせるのだ。地下の人々が希望を持てば、内戦の火も鎮まるだろう。それには〈ヤマト〉でガミラスを叩く。たとえそこに罠があるとわかっていても、我々は〈スタンレー〉に挑むしかないのだ」

沖田はそこで言葉を切った。全員が黙りこくっていた。それから次第に、皆が島に眼を向けるようになる。これまで主な士官の中で、冥王星で戦うことに最も反対していた男だ。そして誰もが、島の考えを理解はしていた。敵が百隻もいるのなら戦いようがないではないか。帰還が一日遅れるごとに、地球で百万千万と死ぬなら先を急ぐべきではないか――すべてもっともな言い分だった。〈ヤマト〉が沈めば地球はおしまいと言うのであれば、賭けに臨むべきではない。

しかし、それらはここにきてすべて崩れたと言えるだろう。島は全員の顔を見て、それから沖田に向き直った。

そして言った。「わかりました。行きましょう、〈スタンレー〉に」