ガンダム 月の翅
序章~彼方より~
「こちらタイターン、惑星帯全域に告げる
土星圏内に超熱源体発生、核エネルギー体とみなし処理へ向かうも目標消失
要注意されたし」
土星衛星の一つ、タイターン。惑星開拓時代には移民の一時的居住地、物資貯蔵庫、軍事施設などの役割を担い、今では土星の衛星国になっている。土星本国への危機を素早く捉え、防御、迎撃態勢に移ることができる。主に大型のデブリや隕石が接近してきた場合にアラートを発するが、今回は隕石ではなく正体不明の、さらに異常ともいえるエネルギー物質を放出していた何かが急接近していたため太陽系全域にわたる発令となった。
さらにタイターンの発令から一分とたたないうちに木星や火星の衛星からも緊急信号が発せられた。そして、
「こちら地球、インダストリア、機影確認」
人が、宇宙に憧れを抱いてから、どのくらいの夜を越えただろう
人が宇宙を目指してから、どのくらいの朝を迎えただろう
宇宙を掴んでからいくつもの暦を重ね、どこへ向かうのだろう