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なかのあずま
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ガンダム 月の翅

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第一章~Awaken~


 ギアナ高地、南アメリア大陸北部に位置し、純生林が色濃く残っている。この時代の地球上の自然環境は殆どが人工的に再生された物であり、オールド・グロウン・フォレストと呼べるのはここくらいの物である。ギアナ高地の最大の特徴としてテーブルマウンテンがあげられ、その名の通り真っ平らな地面がそのまま浮き彫りになったような形をしている。マウンテンとついているが垂直にそそり立っている。

─────テーブルマウンテンの壁を3匹の巨大な蜘蛛が下っていた。よく見ればその蜘蛛は奇妙な形をしており、蜘蛛の下半身に人間の上半身をくっつけたようなシルエットをしていた。
3匹の巨大な蜘蛛は壁を下りながらそれぞれに散らばった。
 蜘蛛の一匹が地面についた。しばらくあたりをウロウロして腰をおろした。足を折り曲げ下半身を地に着けたという事だ。腹部らしきところが開き、中から男が降りてきた。彼の名はクロード・ファウスト、巨大な蜘蛛はアラクネと言う。元は戦闘兵器だったが目立った戦闘がない今となっては利便性に長けた八本の脚を活かし立派な作業用ロボットとなっていた。

クロードは狩りの最中であった。
鬱葱と生い茂った森に入ってからどのくらいの時間が経過しただろうか。彼は麻から作ったヘンプスーツを身に纏っている。風が肌を撫ぜる。とはいえ熱帯のジャングルの中である。神経を張り巡らせながらの単身での進入は体力の消耗を加速させた。

  ガサササッ

 前方で何かが走る音、クロードは即座に猟銃を構え、辺りに神経を集中させた。
中型の動物だろうか、こんなところに?
 ギアナのジャングルは主に虫と小動物と植物が生態系の大半を占めている。クロードの持つ猟銃はあくまで護身用である。
何かが動くのを待つが相手もその気配を感じ取っているのだろう。互いに探り合う膠着状態になった。
 隙を作っておびき出そうか
そう思った途端クロードは背後に気配を感じ、銃を構えながら恐る恐る視界を気配のする方へ移していった。

 ピューマがいた。 

『挟み撃ちにされてしまった。ここは逃げずに服従のポーズを』
クロードは構えていた銃を降ろそうとした。その瞬間、見えぬ相手がついに姿を現し、襲いかかった。
作品名:ガンダム 月の翅 作家名:なかのあずま