ガンダム 月の翅
セルムとセナは初めて星を見た。
「あれは何ですか?」
セナが天にある一際輝く丸い物を指差した。
「あれは月ですよ」
レトがいつの間にか外に出ていた。
「あれが・・・あれが、ムーン・・・美しいですね」
「えぇ、とっても・・・」
クロードやパンタ、ペイジ達は煙草の煙を肺一杯に吸い、夜空にふかしていた。
「これからどうなるんだろうな」リュウが言った。
「さぁな、しばらくは流れに身を任せようじゃないか・・・ん」
クロードは星を眺める少女を見た。
マオも星いっぱいの夜空を眺めていた。吐く息が白い。
「きれいだなぁ…天の光はすべて星なんだぞ、マオ」
クロードが語りかけた。
「うん」マオは北の遥か遠くの方を眺めていた。
全てを飲み込んでいきそうな星空は彼らに安らぎを与えていた。
インダストリア本部最上階で定例ミーティングが行われていた。
「ヤーパンでは戦闘があり、インディファイン・ギアの大損失」
「オセアニアでは実験設備に大きな損害、しかしエンジンは無事です」
「・・・・・わかりました。では開発部の方からお願いします」
インダストリア総取締役でありドルドレイの娘、アルラが父親を指名した。父親とは似ても似つかない可憐な容姿だが冷たい目をしている。
「はい、えぇ、コードプレアデスが」
「それはわかっています。それから?」
「・・・こちらを、ここ数日のギアナ高地の様子です」
ドルドレイのホログラムが映像に切り替わり、高原が崩れ巨大な船が姿を現す様が映っていた。



