ガンダム 月の翅
スリチュアンの大広場にエブリオ、チベット、泥の民がそろっていた。
「私達はこれよりこの地を立ちそらへむかう。チベット、ジブラルタル、双方から人員を募りたい。何人でもいい!インダストリアに立ち向かう力をくれ!」
クロードによる決起集会が始まっていたがレトはその中をモーセのように突き進み、クロードのもとへたどり着くと水の事を伝えた。
群衆から手が上がり「オレがとってくる」と泥の民の数人がバレンドラへ向かった。
メイやアラウダ、アキラたちは引っ越し作業に尽力していた。
「あーめちゃくちゃですね…結構下に落ちちゃったんだろうなぁ」
「さっぱりしていいじゃない」
「さっぱりねぇ・・・」
アキラに珍しくいつもの活気がなかったが、あの戦闘を思い出せばこうもなるだろう。
『ま、しょうがないか・・・「まぁ体は無事だったんだからさ、元気だしな」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「何をもたもたしている!時間はないんだぞ!!」
フィリアスがいつの間にか指揮を執っていた。
『チッ、うるさいんだよこのくそ坊や』
「メイさん、すごい顔してますよ」アラウダは恐る恐るメイの顔を覗き込んだ。
急に後ろの方が騒がしくなった。
「・・・・・?」スリチュアンの方を振り返るとやっとのことで収納したバレンドラが出てきていた。
「あー!!何してんだあいつら!!!」
夜が来た。
次に日が昇る頃にはこの大地を発つ、彼らはそれぞれの思いを馳せながら一夜を過ごしていた。スリチュアンの中で静かに過ごす者、外に出て天を見あげるもの、不安を募らせるもの、興奮するもの、様々だった。
「うぅ~やっぱ寒いや」アキラは幾分か普段に戻ったようだ。
「いよいよか…」フィリアスも見上げていた。
「怖いなぁ」ナユタも



