【弱ペダ】会えないあなた
降って沸いたような考えを即座に却下する。それは願いではあるけれど、神様に頼むことじゃない。自分で実現させることだから。会えないあなたに、自分の力で会いに行く。
「おみくじひこか」
鳴子に誘われてくじを引く。出た番号を告げると、無愛想なおじさんが紙を渡してくれる。開けば中吉。毎年どおりの結果だ。凄く自分らしいと思ってしまう。
「あ」
下段に書かれた運勢のうち、ある一文が坂道の目を引いた。
――待ち人来る。
きっと会える、と神様が背中を押してくれたような気がした。
-- end
作品名:【弱ペダ】会えないあなた 作家名:せんり