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浮かれて飛んで世界は終わる

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「そんじゃ、俺帰るわ。お仕事頑張って」
 言いながら左手をひらひらと振る。引き留めたらそれこそ、ここで勝負はついてしまうと思ったが、何のことだかわからない。そんなこと、あるはずない。俺は言葉なんか無くても、刀さえあれば生きていけると思っていて、それは本当のことだっけれど、刀を使わずに人を殺せるのだと、その方法を知っているのだあの銀髪はと思うと、本当に言葉を無くした。
「またね」
「二度と来るな」
 ようやくそれだけを言うと、銀時は少し笑ってもう一度またね、と言って俺に背を向けた。今斬りかかったらきっと殺されるのは俺だろうと、細胞の奥から理解する。
 坂の上は夕日で真っ赤に染まっていて、俺の斬り捨てた体も斬り捨てなかった体も同じように積み重なり赤く染まり、それはまるで血のように見えて、俺は鞘をぼんやりと指でなぞりながら、近づいて来るパトカーの音を聞いていた。



「浮かれて飛んで世界は終わる」