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こらぼでほすと 四十数年後の双子

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「大丈夫だ。俺が保証する。あんたは可愛い。・・・たまには三蔵さんを悩殺してやれよ? 」
「はあ? 撃たれるぜ? その手の冗談には厳しいからな。」
「一緒に寝てるくせに? 」
「リジェネがいない時だけだろ? 最近は、おまえさんが居てくれるからやってないし。」
「いや、昼寝してるじゃないか。ふたりして、こたつでいちゃこらと。あれ、いたたまれないんだぞ? 」
「俺は知らないよ。」
「俺は知ってる。あんたが寝ると、ちゃんと毛布かけて、となりに寝転んで、くーすか寝てるんだ。俺が居ても、まんまだぞ? ちょっとは遠慮とかないのか? 」
「うち、オールセルフサービス。」
「そんなサービスはいらんっっ。」
 のんびりと会話と景色を楽しみながら食事する。実兄は、ほぼ毎日、亭主の食事を三食用意するから外食することも少ない。おいしいと実兄が笑っているのを見るとライルも、心から幸せだと思える。そして、とてもおかしくなった。なぜだか、自分のことには無頓着で、実弟と同じ日だから実弟の祝いも忘れるらしい。
「あのさ、今日、何の日か知ってる? 」
「ひな祭り。」
「もうひとつ、俺の生まれた日は? 」
「三月三日。・・・・あ・・・」
「はい、正解。つまり? 」
「俺たちの誕生日? 」
「そう、大正解。・・・つまりですね、お兄様。みなさんが、俺らの祝いをしてくれるわけです。それで俺は、兄さんとのデートを貰いました。・・・・一緒に生まれて来てくれてありがとう、ニール。愛してるよ。」
 ウインクしてライルがグラスを傾ける。まったく忘れていたニールは、それで嬉しそうに笑った。ついつい、自分の誕生日は忘れる。ついでに双子の弟の誕生日も忘れてしまうらしい。
「・・・ごめん・・・」
「いいや、俺も、もう誕生日なんて祝ってもらわなくていいんだけどさ。それを理由にして、あんたとデートしたかったんだ。・・・あんた、ほんと出不精すぎて、俺と遊んでくれないから。」
「そうかなあ。近所の案内はしただろ? 」
「少ない。温泉行ってないし。」
 こちらに移り住んだものの、遠くへ出かけるということはない。たまには双子で旅行でも、と、言っても実兄は亭主の世話があると断るので、この作戦を思いついた。さすがに、旅行は無理だったのだが、周囲も盛り上がり宴会になった。
「亭主が本拠地へ出張する時ならいいよ。今年も、たぶん夏には・・・」
「春がいい。刹那とは出かけたんだろ? 俺とも出かけろ。桜の季節に露天風呂。」
「はいはい、わかりました。来月、どこかに出かけよう。・・・・ライル、誕生日おめでとう。ずっと愛してる。」
 傍目には孫と祖父にしか見えないが、どうしたって双子は双子だ。実弟は、いつまでも実兄に甘えるし、それが可愛いと実兄も楽しんでいる。デザートまで辿り着いて、コーヒーの時間になる。
「夕方から宴会だから、どこかブラブラする? 」
「大丈夫か? 」
「ああ、ねーさんたちからクスリもらってドーピングしてるんで、今日は、あんたと付き合える。どこか行きたいところは? 」
「本屋? 」
「おい。」
「寒いから散歩も厳しいぞ? おまえは、どこへ行きたいんだ? 」
「そうだなあ。ドライヴでもする? それで目に入ったところをブラブラするぐらいがいいな。」
「ドライヴねぇ。俺、運転が危険ですが? ライルさん。」
「はははは・・・俺が運転するに決まってるだろ。じゃあ、ブラブラしますか。」
 レストランを出て、車を手配すると、ふたりして乗車した。