二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 21

INDEX|20ページ/20ページ|

前のページ
 

「オレ達にとって、イリスは大事な仲間、いや、友達だ。そんなに変なことか?」
 ロビンは不思議そうに言った。
「そうか、イリス様を友達言えるほど絆があるから、スターマジシャンを倒せたんやな。うん、なるほどな、よぉ分かったわ!」
 アズールは尖った犬歯を見せて笑った。
「分かった、って、何が分かったんや?」
 言ってジェラルドは、はっ、となった。アズールの話し方が独特すぎてうつってしまった。
「なんや自分、オレの話し方真似しとるんか? まあええわ、自分らに付いていく。せやったらきっとイリス様助けられる。そんな気がしただけや」
「一緒に来てくれはるんですか?」
 イワンにも言葉がうつっていた。イワンは言った後で少し恥ずかしくなる。
「なんやなんや、オレの言葉ずいぶん人気やな。まあ、乗り掛かった船、いや、乗り掛かられた船か? オレが自分ら乗せたし……、まあええわ。自分らは、オレをスターマジシャンの束縛から解放してくれた恩人や、一生お供させてもらいまっせ」
 ロビン達はイリスを救うべく、デュラハンの手下を倒したが、彼らは図らずも悪魔の一味から天界の者、アズールを救った。
「そういえば……」
 ロビンは何か思い出したように言う。
「他にもアズールみたいに、悪魔の手下に捕まってる奴はお……、いるのか?」
 ロビンも言葉がうつりそうになったが、なんとか抑えて訊ねた。
「なんや自分、ノリ悪いなぁ。ここは自分も釣られるところやったやろ」
 アズールにはしっかりと、言葉がうつりかけていたところを聞かれていた。
「うっ……」
 期待を裏切られ、残念そうなアズールの顔を見て、ロビンは言葉に詰まってしまう。
「っこほん……」
 ロビンは一つ咳払いをし、改めて訊ねた。
「その、アズールの他にも、デュラハンの手下に捕らわれてる奴は、お、おりゅ、おるのか……!?」
 ロビンは意識しすぎて、声が若干裏返り、おまけに噛んでしまった。これを聞いて全員が大笑いする。
「あははは……! 力みすぎやし、下手くそすぎるわ!」
 アズールは、まさに、抱腹絶倒していた。
 対するロビンは、恥ずかしさのあまりに、耳の先まで真っ赤になっていた。
「もう、そんなに笑うな!」
 ロビンは真っ赤な顔で叫んだ。
「ひい、ほんま腹痛いわ! なはははは……! ……ああ、すまんな、笑いすぎたわ」
 アズールは涙が出るほど笑った後、完全に下を向いてしまったロビンに詫びた。そしてロビンの疑問に答える。
「オレみたいになってんのが他におるかっちゅう話やったな? ぶっちゃけ言うと、おるで、後二人な。けったいな嬢ちゃんと、ゴツい騎士なんやけど、そいつらもデュラハンにやられてもうた。多分、オレみたいに力の一部にされてるやろな……」
 アズールは話しながら目を伏せた。共にイリスを守護する者として戦った仲間であり、心配になったのだ。
「オレがこんな調子やから、あいつらとは、意見が合わんこともぎょうさんあった。それでもな、イリス様を守りたい思いは一緒やった。できれば助け出したいな……」
「心配いらねえよ、アズール」
 ジェラルドが自信満々に言う。
「オレ達が必ずデュラハンを倒す! そうすりゃ、きっとお前の仲間にもまた会えるさ!」
「そうですよ! デュラハンはボクにとっても、故郷を滅ぼされた仇敵です。無念の内に死んでいった故郷の人々のためにも、ボクは負けるわけにはいかないんです!」
 イワンも、自分自身に告げるように言う。
「デュラハンは、とんでもない強敵だ。勝つためにはありとあらゆる力が必要だろう。そのためにもアズール、君の力もきっと必要になるはずだ。力を貸してくれ!」
 ロビンは手を差し伸べた。
「お前ら……」
 アズールはふっ、と小さく笑うと、鰭の生えた手でロビンの手を握った。
「自分、さっきはカッコ悪かったのに、今はめっちゃカッコええな、ますます気に入ったで。よっしゃ、オレも男や! 助けられた恩、力貸すことで返したる!」
 こうしてロビン達は、スターマジシャン、シレーネを倒し、新たな仲間を迎え、デュラハン討伐へ駒を進めるのだった。