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健二さんが最強(凶)?

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 次の日。
「…おはようございます」
「おはよー。って、キング、はやっ」
「…健二さんは?」
「まだ眠ってる」
 薬が効いているのか熱もすこし下がって落ち着いていた。
「オレは、もうでかけなきゃなんだ。サクマは置いてくから何かあったら連絡して」
「わかった」
 そういって、佐久間は出て行った。佳主馬は健二が眠っているであろう部屋へと足を運ぶ。アバター達は今日は違う部屋で待機中だ。けんじとケンジはサクマとキングと共にいる。キング的に配慮したつもりなんだろう。ノックをして、健二の部屋に入る佳主馬。そして、見たのは顔を赤くして眠っている健二の姿。佳主馬はそれを見て、少しだけ汗ではりついた前髪を分ける。
「…健二さん」
 その声は心配で心配でしょうがなかったという声。
「また、無理してたんじゃないの?」
 いつもいつもいつも自分のことには無頓着で、周りを心配させる人。一番近くにいたい人なのにいる事の出来ないジレンマ。そんな感じだった。
「今回のことだって、佐久間さんが言ってくれなかったら知らなかった」
 だから…佐久間に嫉妬してしまう。健二は何かあれば連絡するのは佐久間なのだ。夏希でも自分でもなく。
「悔しいな…」
 片思いだからこそのその寂しさはある。ちなみに天然健二はそんなことは全く知りません。
「ん…」
「健二さん?」
「…佳主馬くん?」
「うん、オレ。大丈夫?」
「だいじょうぶ…。佐久間は?」
「用事を済ませに出かけたよ」
「そっか…」
 そんな健二に佳主馬は佐久間にやっぱりこう思う。
『佐久間さん、やっぱりずるいよ。あなたは』
「…ごめんね? 急な話だったんでしょ?」
「まあ。でも、連絡もらってよかったよ。健二さんいつも全部終わってからの事故報告なんだし」
「それは…心配をかけたくなかっただけなんだけど」
「心配くらいさせてよね」
 佳主馬の言葉に健二が笑う。その笑顔に佳主馬は相変わらずに顔を赤くしたのだった。何事にも健二には弱い佳主馬である。
「健二さん、お腹すいてないの?」
「…んー、食欲がないかなぁ」
「でも、食べないと治るものも治らないよ」
「うん…」
「少し待ってて。何か見てくるから」
「ありがとう。佳主馬くん」
 台所へ行って、机にあるものを見る。それは佐久間からのメモだった。
『キングー、健二にこれ食べさせておいて。薬はこっち。で、多分少しだけ食べるものにごねるかもしれないので注意な〜』という置手紙がおいてあった。
「あの人…エスパーか」
 佐久間の用意周到さに佳主馬も脱帽である。
「…って、なんでごねるんだ?」
 夏のときは特に嫌いなものはなかったと思うのだが。
「ま、いいか」
 そういって、あったおかゆを暖めて部屋に戻る。
「健二さん?」
「なーにー」
「…おかゆ持ってたよ」
「…おかゆかぁ」
「? 何」
「食べたくない」
「え?」
「だって、味がないんだもん」
「ちょ、健二さん」
「味がないのは嫌! くだものが食べたいなぁ」
「健二さんっ。ちょっと」
「ねえ、佳主馬くん。おかゆ以外ってないのかなぁ」
「え、いや。勝手に冷蔵こを触る訳にもいかないし…」
「なんか探してきてくれない? ね?」
 大好きな健二のお願いを断れる訳がなく、佳主馬は台所へと逆戻り。ああだこうだと健二のわがままを聞いていた佳主馬。やっと薬を飲ませたらもうくたくただった。
「…何、この健二さんは」
 わがままをいう健二なんて知らなかった佳主馬は放心状態だった。そこに、佐久間が帰還する。
「アラら…、キング大丈夫?」
 リビングのソファでへばっている佳主馬を見て佐久間は苦笑する。
「…何、あの健二さん」
 わがままでいううことを聞いてくれなくて、どうすればいいかわからなかった。けれど、佐久間に連絡を取るのが嫌で、意地になっていたというのもある。
「まあ、体調崩して熱あるとあいつわがままキングに変わるんだよな」
「それを先に言っておいてよ…」
「いや、言わない方が面白いかと思って」
「オレで遊ばないでくれますか…」
 本当にぐったりとしている佳主馬に佐久間は軽く頭を撫でてお疲れ様と言って、健二がいる部屋へと向かった。
「…あれ〜、さくま」
「はい、佐久間くんですが?」
「…どこにいってたのさ」
「用事があったっていってるだろ? それより体調はどうなんだよ」
「んー、大丈夫」
 健二の額に手を当てると思ったよりは熱はない。後は、物を食べて体力を戻すくらいか。
「薬は?」
「佳主馬くんが飲ませてくれたよ〜」
「そうか。で? オレに何かしてほしいことあるか?」
「…側にいてほしいです」
「了解。じゃあ、キングと一緒にいてやるよ」
「うん…」
 にこーと笑う健二に佐久間は頭を撫でた。それを見ていた佳主馬。
『…敵わない。佐久間さんには』
 けれど、こうも思った。
『絶対に健二さんの信頼をとってやるんだから!』
 佐久間に言わせれば、既に信頼は陣内家全員でとっているのだが。
「キング、そんなところにいないで入ってくれば?」
「……」
「そんなに睨まれてもなぁ」
「あー佳主馬くんだぁ」
 またもにぱーと笑う健二に佳主馬は心臓がドキドキだ。佐久間はそれをめちゃくちゃ面白がっていた。
「…佐久間さん?」
「何? キング」
「負けませんから」
「なんのことやら」
「二人とも〜。何話してるさ〜」
「あ、はいはい。わがままキング。ちょっと待ちなさい」
「はやくー」

 仲が良い幼馴染にOZでのキングがどうかかわってくるのか。

 それはまたの機会に。