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二人の歩き方

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プロローグ
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4月になりすずめ達は高3になった。

土牛先輩が卒業して、
ゆゆかは気が抜けたようだ。

でも都内の大学に進学した先輩とは
相変わらず続いているみたいだ。

学校で会えなくなった分、
誰の目も気にすることがなくなったので、
ちょっと吹っ切れたような感じで
家デートを重ねているらしい。

上級生が卒業したってことは
下級生がまた増えて、
馬村は再びモテ始めてしまった。

でもすずめ以外の女子には
なんの愛想も優しさも見せないので
たいていの女子は早々に諦めるのだが、

中にはその一途さがいいと
ウケているらしい。


「ホント馬村ってイケメンだね。」

一緒に帰りながらすずめはつぶやいた。


「は?」

イケメンと言われるのは嬉しくないらしい。


「だってどんなに女子に
キャーキャー言われても
脇目も振らず
そのなんだ、態度が変わらないって言うか。」


「キャーキャー言われても
ウザイだけだし。」


「そういうもんなの?」


「じゃあ、なんだよ。
お前は他の男子にモテたら
嬉しいのか?」


ちょっとムッとして馬村が聞いた。


「え?うーん。
ありえなすぎて想像できないや。」


「…そんなのわかんねえじゃねえかよ。」


現に獅子尾という存在がいた。

すずめの良さに気づく男子が
またいつ現れるかもしれないし、
そいつにかっさわれるかもしれない、
という不安を、ずっと消せずにいた。

コイツはホントに自分のことが好きなのか
あれだけ他の女子にモテても自信がないのだ。

最初からアイツが俺を思うより
俺がアイツを思うほうが強いもんな。

馬村はそう思っていた。


「すずめちゃーん!」

「カメちゃん!どうしたの?」

街を歩いてるとカメから声をかけられた。

「あのさ、今ツルがメイクの学校の
体験授業に参加してて、
教えてもらう番になったんだけど、
モデルの人がお腹壊しちゃって。
それで代わりが急遽必要になったんだけど、
窓の外みてたらすずめちゃんが見えたから。
すぐ来てくれない?急いでるんだよぉ!」

「えっえええええ?!」

「おい、ちょっと!」


何がなんだかわからないが
すずめはカメに連れられて
メイク学校の中に連れていかれた。

仕方なく馬村もついていく。


ツルが待ってて、
「ごめんね~すずめちゃん!」
と手を合わせている。

「いや、それで私は何を…」


とまどっているすずめの前に、
メイク学校の先生だろう男の人が

「とりあえずここに座って。
何もしなくていいから。」

と席にうながす。


「メイクモデル、お願い!!」

ツルちゃんが申し訳なさそうな顔で言う。

「はぁ。」

こんなに注目されていたら、
ただでさえ緊張するのに、と
すずめは真顔がくずせない。


でも仕方ない、ツルちゃんのためだ、
と思って地蔵になることにした。

残した馬村を一応気にしながら。


作品名:二人の歩き方 作家名:りんりん