機動戦士ガンダムRS第48話 終わらない戦争
皆は、呆然とコロニーレーザーもどきがあったところを見ていた。
「サオトメ」
ブライアン艦長は、それだけ言うのにとてつもないエネルギーを使った。
アイリス曹長は、いてもたってもいられなくガンダムサイガーを迎えに行こうとした。
皆は、それを止めようとせずミサキ機はアイリス中尉は援護のため随伴した。
サウス中尉は、覚悟を決めていた。
「宙域のコロニー軍ならびに地球軍に告げます。
現在地球連合は、コロニー連邦共和国政府との停戦協議に向け準備を始めています。
それに伴い地球連合は、現宙域に於ける全ての戦闘行為の停止をコロニー軍に申し入れます」
ブライアン艦長は、この言葉を聞くとひじ掛けを殴った。
「下手な時間稼ぎを」
しかしコロニー軍もまたこれ以上の軍事作戦を行える余力は、残っていなかった。
※
アイリス曹長は、必死にガンダムサイガーを探すが見つからず再び泣き出してしまった。
ミサキ中尉も敬愛する隊長の死が現実感を増してきて目に涙を浮かべていた。
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その時ドゴス・ギアのレーダーは、ガンダムサイガーの反応を見つけた。
「ガンダムサイガーを発見しました」
ハリダ軍曹がうれしそうに報告した。
「本当か?
すぐにアイリス曹長とミサキ中尉に座標を教えるんだ」
ブライアン艦長が即座に命令した。
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それは、アイリス曹長にすぐさま報告された。
「隊長が?」
「隊長は、やっぱり生きていたのね」
ミサキ中尉は、驚きアイリス曹長はやっぱりという反応だった。
※
ガンダムサイガーは、かろうじて五体満足であるがいくつかのレーダーなどが損傷するというダメージを受けていた。
「まさかナビゲーションシステムが壊れるとは」
これは、現在座標から目標座標までの経路をどのようにすべきかを考える地図である。
これを失うと思いがけないところを通ってしまうこともある。
しかしこれが壊れたからと言ってミノフスキー効果下であっても唯一使用可能なレーザー発信がある。
これさえあれば母艦に帰還できる。
幸いなことにガンダムサイガーは、スラスター類に大きなダメージがなく「何事もなければ」十分母艦に戻れた。
その時前方からユーピテルが2機接近しているのに気付いた。
サオトメは、先行機がアイリス曹長だとすぐに分かった。
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2人は、五体満足なガンダムサイガーを見て涙を流した。
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「まだ俺の帰りを待ってくれる人がいるのか。
幸福だな」
サオトメもまた自分が幸せ者だと感じ思わず涙を流してしまった。
作品名:機動戦士ガンダムRS第48話 終わらない戦争 作家名:久世秀一