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ずっと一緒に…

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大学を卒業した大輝は、
大学の研究室の延長のような職場で
日々食品の研究を重ねている。


変に騒ぐ女子も居らず、
接客などで愛想を振りまく
必要もないので、
大輝はこの職場が結構気に入っていた。


学生時代はずっと実家だったが、
ますますすずめとは会いにくくなるので、
お互いの職場の近くで
大輝は一人暮らしを始めた。

お互いが休みの前日は、
大輝の家でお泊り。
が通例になっていた。


「お帰り~待ってたよ」

テーブルの椅子にちょんと座って
すずめがマグカップのコーヒーを
すすっていた。

「ただいま。もう食べた?」

「ううん。1回家に帰って
おじさんのグラタンを持ってきた♪
今焼いてるとこ。」


「おじさん、怒ってなかったか?」


「もう大人だから何にも言わない。
と言いながら涙目で用意してた。」

クスクス笑いながらすずめは、
立ち上がってグラタンの焼け具合の
様子をみる。


「俺の好物覚えてるところが嬉しいわ。」


「なんだかんだ言っても
大輝のことは気に入ってるみたいだよ。」


「そりゃありがてぇな。」


チン!とトースターの音がする。


「さっ食べよう♪
エビとかイカとか入ってるよ。」


「魚介があれば、オマエはホント
嬉しそうだな。」


「えっそりゃ嬉しいけど、
大輝と一緒に食べれるのが
嬉しいんだし。」

一瞬大輝の顔が赤くなる。


大輝と一緒にいると
いつも穏やかな時間が
流れるみたいだ。


「いただきまーす。」


「あち!でもうまいな。」

ハフハフさせながらグラタンを頬張る。


「おじさんの料理はサイコーだね。」


「おじさんじゃなくて
オマエが作ったんだろ?これ。」



「……なんでわかった?!」


「ホワイトソース、
だまになってたから…」


「あ~~!」

すごく残念そうな顔ですずめが叫ぶ。

「これで騙せたら
成功と思ったのに!
今日早上がりだったから、
おじさんに教えてもらって
作ってみたんだよ。」


「まだまだ修行の甲斐あるな。
でも味はいいよ。」


大輝は笑いながら熱々のグラタンを
スプーンで口に入れる。

「ありがとう。」

大輝がウソをつかないので、
その言葉は本当だってわかる。

だから大輝にはすずめも
嘘や虚勢を張らずに
素直な言葉を口にできた。


しばらく他愛のない話をしながら食べて
すずめのほうをみた大輝は
何かに気づいたようだが、
そのまま食べ続け、

「…食べ終わったらDVD観ねぇ?
前言ってたヤツ借りたんだけど。」

と言った。


「ホント?観る観る!」

すっかり皿は空になった。

すずめがガチャガチャと
空いた食器をシンクに持っていく間、
大輝はDVDの用意をする。


「水につけといて。
後でオレ洗うから。」

「え、いいよ。これくらい洗うよ。」

「いいんだって。早く観ようぜ。」


ソファに座っている大輝の前で
ソファにもたれかかるように
すずめも座って

前から気になってた
アクションものの
DVDを観始めた。


しばらくしてると
大輝がソファをゴソゴソと降り、
手をすずめの腰にまわして
後ろからそっと包む。

大輝は顔を近づけて
すずめの首筋にキスをする。



「大輝は観ないの?」

画面を観ながらすずめは尋ねた。


「オマエ用に借りたから。
観てていいよ。」


「集中できないよ。」


「集中してろよ。」


「ふ。…そんなこと言ったって…」


「オレがこうしてたいだけだから。」


すずめは顔だけ後ろを振り返ると、

「何かあったの?」

と大輝の顔をのぞき込む。

すると大輝がすずめの頬を
ペロリと舐めた。

「!何?!」

すずめが恥ずかしそうに
ビックリして言うと、

「グラタン、さっきからついてたぞ。
どうしたらこんなとこにつくんだよ。」

と大輝は笑いながら言い、
もう一度チュッと
同じところにキスをし、
そのまますずめの唇を舌でなぞって

「ん…うまい。」

とニヤリとしてつぶやいた。


「もう!食べてる時に言ってよ!」

すずめは頬に手をやり、
真っ赤になった。


「オマエがいつ気づくかと思ったけど
全然気づかねえし。」


大輝は笑いが堪えられないようで
クックッと肩を震わせて笑っている。


「そんなのしたら、
私もしたくなるじゃん。」

とすずめも大輝の頬に
キスを返した。


「観ないのか?」


「大輝のせいで観れないから
音だけ聴く。」

クスクス笑ってお互いに
頬にキスをし合う。


ズガーンバーンと、
派手なカーチェイスの音が
テレビ画面から聞こえるが、

二人はついばむようなキスのあと、
鼻をこすりつけあったり、
頬にキスしたりした。


誰にも邪魔されない、
まったりしたこの時間が
すずめは大好きだった。


「なぁ。」

大輝がすずめの背中におでこをつけて
後ろからつぶやく。


「ん?」


「オレ、お前のこと好きなんだけど。」


「何?私も大輝が好きだよ。」


今さら、という感じで
笑ってすずめが応える。



「…結婚しねぇか?」






作品名:ずっと一緒に… 作家名:りんりん