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再会

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すずめと馬村の結婚式の日。

犬飼は、受付などで忙しくしていた。

いつもは無表情の二人が終始笑顔で、
本当によかったと犬飼は思っていた。


高校時代の彼女、
鶴谷モニカには
会場で久しぶりに会った。


モニカはヘアメイクの専門学校を出て
二年前に就職し、忙しくなって

自分も大学の就職活動があって、
すれ違いが多くなり
別れてしまっていた。


嫌いになって別れたわけじゃない。


再会するまで、周りから紹介されたりして
彼女ができなかったわけじゃないけど、
長くは続かなかった。

さらに今はSEとして働いてるので、
帰りが夜中になることも、
急に呼ばれて休日出勤することもあり、
彼女を作るというどころじゃなかった。


モニカの方はと言えば、
すずめの結婚式の準備の時、

「結婚式、当然犬飼来ると思うけど
ツル、大丈夫なの?」

と、カメに心配そうに尋ねられた。


「うん。修羅場があったわけじゃなし。
学にかまってあげれなかった
自分が悪いし。仕事に集中したかったし。
学にはもっとおとなしくていい子が
合ってると思う。」


「私は2人、すごいいい雰囲気だと
思ってたんだけどなぁ。」

カメが残念そうに言う。


「高校の時のようにはいかないよ。」

モニカは諦めたように言うが、
カメは納得してなかった。


結婚式当日の朝は、
お互いバタバタして
ゆっくり会話もできなかった。

チラチラと顔はみかけていたが
話しかけることすらできなかった。


そんな時、カメが、

「ツル!メイク終わったんでしょ?
すずめちゃんのほうの受付
やってくれないかなー?」

とお願いしてきたので
二つ返事で、

「オッケー♪任せといて!」

と軽く引き受けた。

何かやっていたほうが気がまぎれると思った。


ら、馬村のほうの受付は
犬飼が立っていた。


「あ…」

ギクリとした。


カメ~~~謀ったな…


「あ…久しぶり。」


犬飼も気まずいような
なんとも言えない表情で、

でもできるだけ普通にしようと
しているのがうかがえた。


「元気だった?仕事忙しい?」

犬飼に尋ねられ、

「うん。割と。そっちは?」

と聞き返すと、

「俺も。夜中になったり休日出勤とか。」

犬飼も答える。



「そっか…。」

彼女はできた?と聞きたかったけど、
さすがに聞けずにいた。


何を喋ろうか…とお互い探っていると、

次々に参列者が来たので、

そこで会話が終了した。


バタバタと受付業務をこなしたあと、
式が始まりそうになったので
片付けを始めていると、
犬飼が思い切ったように話した。


「モニカ、パーティの後、時間ある?」


「え…」

モニカは一瞬躊躇って、

「うん、少しなら。」

と応えていた。


「じゃあ、20時にいつものとこで。」

いつものところとは
付き合っていた頃よく行ったカフェで、
当時二人でそこに通い、
他愛もない話をよくしていた。


式とパーティの間は、
すずめと馬村のことで頭がいっぱいだったが、

幸せそうな2人をみると、

自分達はどこですれ違っちゃったのかなぁ
と思わずにいられなかった。


「ツル!犬飼と話せた?」

ニヤニヤしながらカメが言う。

「もう終わったって言ったでしょ?
余計なことしなくていいのに。」

ふてくされて返すと、

「終わったって顔してないんだもん。」

カメが核心をつく。


自分の中では整理をつけたつもりなのに、
どうしてこんなに後ろ髪をひかれるのだろう。

学は会って何を言うつもりなのか。


なんか怖い…。


実を言うと、同じサロンの店長に
少し前から口説かれていた。

モニカはスペイン人のクォーターだが、
店長はイギリス人とのハーフで、
身長が185cmくらいあった。

一見チャラそうに見えるが、
仕事熱心で真面目で、
女性に対しても優しく、

自分とのことを真剣に
考えてくれているようだった。

でもなんとなくすぐに
OKとは返事が出来ずに
濁していたのだ。


学がどういうつもりかわからないが、
ちゃんと話して、
次の恋に進む
きっかけになるかもしれない。

モニカはそう思っていた。


「じゃあ、あとで報告よろしく~~。」


モニカと犬飼の復活を願っているカメだったが、

「そういう話じゃないよ。」

と返していた。


期待すると傷つくだけだし。

と言葉を続けそうになって、

「期待?何を?」と

一人で笑ってしまった。


「じゃあね。お疲れ様~」

パーティのあと、カメと駅で別れて、
モニカは待ち合わせのカフェに向かった。

作品名:再会 作家名:りんりん