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トラウマスイッチ

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「なぁ。」

同じベッドで並んで天井をみつめながら
大輝が話し始めた。

風呂上り、大輝の母にもらった
パジャマを着てみたが、
恥ずかしくてお互い
姿が見れずにいた。

大輝は二度と着ねぇと思っていたが、
今日だけはと、律儀に着たままだった。



「ん?」

すずめも天井をみつめたまま答えると、


「オレさ、結婚したけど…
子どもは怖くて…」

と話し出した。


「怖い?なんで?」


「親父と母さんみたくなって
同じように子どもに
辛い思いをさせてしまうのが。」

大輝からはあまり聞かない
それは弱音だった。

「私が出ていくと思ってる?」


「いや、そうじゃなくて…
オレが、オマエが出ていかねぇほどの
男になれてる気がしない。」

「え?」

「オレ、親父は尊敬してて…
バリバリ仕事して、あの人…
母さんいるときから家事も分担して
優しいし…なのに母さん出ていって…」



そうだったんだ。


「オレ、何やったら
親父以上の男になれんのかなって
オマエ出ていかないほどの
男になれんのかなって
ずっと思ってたんだ。」

大輝がそんなことを思ってたなんて
全然想像もしてなかった。

「大輝はそのままでいいんだけど…」

すずめがどう言ったらいいか
言葉を考えていると、

「うん…」

「オレ、何やってても
オマエいないとダメだわ。」


「え~~?」

思わず大輝の顔を見た。

そしてペアのパジャマの柄が目に飛び込んできて
また天井に視線を戻した。

「オマエがいないとか想像できねぇし。」

「そう?」

「あと、子ども。」


「?」

すずめがキョトンとする。


「今オマエとの子どもできたら、
オレどこまでも強くなれそう。」



「………………」


すずめはその言葉の意味を考えた。


それってもしかしてそういう?!


「え?!あの…大輝さん?
それはどういう…?」


ガバっとふいに大輝に組み敷かれて

「オマエとの子どもが欲しい。」

「え?!」

「オマエは?」

「え~~~?!」


突然の大輝の申し出に
顔が真っ赤になる。


「やっちょっと待って!
あの、そりゃ、いつかはって
私も思ってましたけれどもっ…」


「プッ誰真似だよ、それ。」

慌てふためくすずめの様子に
大輝は吹き出してしまった。

「ダメか?」

「いやダメとかじゃなく…
わたしの心の準備がっ…」


「ダメじゃなきゃOK?」


目ぇ真っ直ぐ見て
お願いしてくるのナシ~~!!


「オレ、今子どもできたら
最高幸せな家族作れそう。」


「最高幸せ…?」


私が、そうできるの?大輝を?


「うん。」

すずめはしばらく考えて、

「わかった。」

と返事した。

そう言った瞬間、大輝は、
すずめの耳元に顔を近づけて

「すずめ!オマエ最高!愛してる。」

と言った。

そのまま大輝とすずめは
夜に融けていった。


作品名:トラウマスイッチ 作家名:りんりん