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大地の初恋

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「こんにちは~。
お土産持ってきました~。」

「こんにちわぁ!」

田舎から戻って、
すずめと美羽は
大輝の実家へ、
預かりもののお土産を
渡しにやってきた。

「いつもお気遣いありがとう。」

大輝の父はいつものように
穏やかにお土産を受け取る。

「母ちゃんがお義父さんに
ぜひにって。
これ、おいしいですよ。」

「すずめさんの田舎は
ホント食べ物が
おいしいね。
あとで与謝野さんに
電話を入れておくよ。」

「おじーちゃん、だいちゃんは?」

美羽は大輝の弟、大地も
気に入っている。

「大地は部活だけど、
もうすぐ帰ってくるかな。」

キィッバタン。

「ただいま。」

「だいちゃん!」

美羽が玄関に走っていく。

「おう、美羽。いらっしゃい。」

美羽は帰ってすぐの大地に
まとわりついている。

大地は美羽の頭をくしゃくしゃっとし、
リビングに入ってきた。

「大地、お疲れ。久しぶり。」

すずめが言うと、

「うん。」

と横を向いてそっけない。
ここ最近はずっとそんな感じだ。

「こら大地。
ちゃんと挨拶しないか。」

「ちわ。」
とやっぱり横向きながら
リビングを出て二階にあがる。

「反抗期…?ですかね?」

「うーん、すずめさんがくると
あんな感じになるんだよね。
前は一緒によく遊んでもらったのに
兄嫁になったっていうのが
気恥ずかしいのかな?
愛想なくてすまないね。」

「いえ、自分も大輝くんも
こんな感じですから。」

とすずめは言って
大輝の父と二人で笑った。


作品名:大地の初恋 作家名:りんりん