大地の初恋
トントン!
「だーいち?」
すずめは大地の部屋をたずねた。
「わっ!なんだよ、すずめ!」
「だって大地、愛想ないから
寂しいじゃん。」
「オレだって高3なんだから
もう。いろいろあんだよ。」
「え~?あっ久しぶりに
ゲームしようよ!」
「は?なんでオレがお前と。
だいたい美羽どうしたんだよ。」
「美羽はお義父さんと買い物。
お菓子買ってもらうって
喜んでついてった。」
大地はドキドキしていた。
この部屋にすずめがくるのは
久しぶりだった。
「ね?やろ?」
「お前いいのかよ。」
「うん?何が?」
すずめは大地に背を向けて
ゲームをセッティングしている。
「義理の弟とはいえ、
大輝のいないとこで
男とその…二人っきりとか…」
「?男?何がダメなの?
はい、大地のコントローラー。」
大地は一応コントローラーを
すずめから受け取り、続ける。
「大輝に怒られんだろ?」
「ふ…なんで大地とゲームして
大輝が怒るの?さっどれやる?
これよくない?ボクシング!」
ウィンウィンとゲームが
始動する音が始まったのに、
すぐ大地がブチッと切る。
「あっなんで切るの?やらないの?」
「うるせえっ!
ちょっとは考えろよ!」
「?何をさ。」
「もういい!」
大地がなんで怒り始めたか
すずめにはわからない。
やっぱり反抗期?
ピンポーン!
玄関でチャイムが鳴った。