大地の初恋 回想編
でも結婚式の日、
すずめのおじさん?が
料理をしながら、
すずめの母親に
しゃべっているのを聞いてしまった。
すずめは元々、大輝の他に
すごい好きなヤツがいて、
でも祝福される相手じゃないから
自分が邪魔をしたと。
すずめは傷ついていたけど
大輝がずっとそばにいて、
二人は付き合うことになったんだ。
もう辛い思いをして欲しくないので、
自分は大輝にどういうつもりで
付き合ってるか尋ねたら、
大事にしたい、
今はすずめの気持ちが
半分だけ自分に向いてるだけだから、
いろんなことは
100%気持ちが向いてからで
かまわない、
すずめが幸せなら、
俺は身を引くのも厭わない
と、わずか16歳の少年が言ったんだと。
それからずっと
大輝の姿勢が変わらない。
だから大輝と一緒なら
すずめは幸せになるよ。
そういうようなことを
おじさんは言っていた。
俺は頭の後ろを
ハンマーで殴られた気分だった。
大輝の愛し方がカッコ良すぎて、
完全に負けたと思った。
俺は下手すれば
力づくでなんとかしようという
衝動がもたげていたんだ。
相手が幸せなら身を引く、
そんなこと考えたことがなかった。
すずめが大輝を幸せにしたいと
一生懸命なのは、
大輝がすずめの幸せを
一番に考えていたからなんだ。