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ジュリエットの幸せ

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「オマエこの間から
何コソコソイソイソ
やってんだよ。
体に障るだろ?」

すずめの最近の様子に、
大輝が訝しげに尋ねる。

「え!?……
誰にも言わない?」

「何のことだよ?」

すずめは大輝に、
ゆゆかとツルも
予定日近くで妊娠してること、

ゆゆかがマタニティで
恥ずかしいから
結婚式しない、
と言っているので、
三人で結婚式を
サプライズプレゼント
したいこと、

を説明した。

ホントは喋りたくて
ウズウズしてたのだ。


「…オマエら、ホント
そういうの好きだな。」

「仲良すぎだろ。」

大輝は呆れたように言うのと同時に
ちょっと面白くなかった。


「友達だからねー。」

とすずめがいうと、

「最初オマエのダチは
オレだけだったのにな。」

と大輝はため息をつく。


「…もしかして大輝も
仲間に入れて欲しいの?」

とすずめに言われて

「誰がだよ!」

と相変わらず察しの悪いすずめに
大輝は思わず突っ込む。


オマエも妊娠してること
忘れないように、
と大輝に釘をさされはしたが、

みんなが安定期に入ったらすぐ
すずめがやったように、
おじさんのカフェで
サプライズ結婚パーティが
決行されることになった。

カメ曰く、
「ロミジュリ婚」
だという。

普通のウエディングドレスだと
お腹が膨らみ始めた体を
圧迫するので、
ジュリエットの衣装を
着てもらうんだそうだ。

土牛先輩との出逢いも
ロミジュリの劇だったし、
誰もが演出と思うだろう、
というのが狙いらしい。

さてそれをどうやって
カフェまで来て
着てもらうか…

作戦が始まった。

「ゆゆか、
すずめちゃんのおじさんのカフェで
メイクイベントすることに
なったんだけど、参加しない?」

ツルがそう言って
ゆゆかを誘う。

「え、何それ。」

「タダでメイクさせてくれたら、
つぼみさんに写真
撮ってもらえるよ。」

「あーあの女ね…
でもプロのカメラマンか。
悪くないわね。やる。」

ゆゆかは言葉は素っ気ないが
内心は意気揚々としている。


当日すずめが
カフェのスタッフルームまで
ゆゆかを誘導した。

絶対にカフェの店内は
見られてはダメよ、
とカメに言われている。

すずめはドキドキしながら
ゆゆかをカフェの裏口から
スタッフルームに連れていく。

「ここでメイクするの?」

「うん、撮影用の
ステージをカフェに
用意してあるから。
メイクしてから
そこで撮影だって。」

「へぇ、ずいぶん本格的ね。」

すずめは嘘が苦手なので、
察しのいいゆゆかに
バレないかドキドキしていた。

「ちょっとアンタ、
何か隠してないでしょーね?
さっきからカバンの紐
ギュウギュウしちゃってさ。」

「え??ほんと?!」

スタッフルームでは
ツルがスタンバッていた。

「まぁまぁ、ゆゆか。
すずめちゃん、
私のイベントのために
いろいろしてくれたからさ、
失敗しないか緊張してるんだってさ。」

ほっ!!ツルちゃん、
ナイスフォロー!

「しょうがないわね。
アンタが緊張すると
こっちもうつるんだけど。」

「え…ごめん。」

「ていうか、その癖
まだ直ってなかったのね。」

「面目ない…」

もう喋らないのが得策と、
すずめがだんだん無口になっていく。


「さぁできたよ!」

「わぁぁぁ、ゆゆかちゃん、
キレイ!!」

「でもこれ、ちょっと
ハデじゃない?」

「実は衣装もあるんです~」

ツルがジュリエット仕様の
ドレスを出す。

「何これ、ドレス?
お腹出てきてんのに無理よ。」

コンコン!

つぼみが入ってきた。

「準備できた?
ワオ!ゆゆかちゃん、素敵!
あのさ、今回はジュリエットに
なって欲しいのよ。
テーマがそれだから。」

いけしゃあしゃあと嘘を言うつぼみ。

すごい仕掛け人ぶりだ。


「 胸の下からフンワリしてるドレスだから
大丈夫と思うよ。
うん、アナタのイメージピッタリ。
プロが言うんだから信用して?」

「そこまで言うなら…」

しぶしぶゆゆかは着替える。


高校の時の文化祭を
再現したようだった。

あの時よりもずいぶん
大人っぽいジュリエットだが
美しさはかわらない。

「ゆゆか、すげえ!」

「かわいい!」

「本物みたい!」

「さ、カフェにいって撮影よ。」


つぼみに促され、
ゆゆかはカフェに移動する。

すずめはもう目が
ウルウルしてきた。


作品名:ジュリエットの幸せ 作家名:りんりん