トランキライザー 馬村side
「すずめぇぇ!
お前、どこ行ってたんだ!」
「スミマセン!
オレのバイト先に
来てたみたいで…」
「何もないからよかったものの…
女の子が出歩く時間じゃ
ないだろう?」
「ごめんなさい、
おじさん…」
そりゃ心配するだろう。
昨今物騒だしな…
「あの…今度から
会う時間とか
ちゃんとするんで…
すみませんでした。」
オレは頭を下げる。
「いや、俺は馬村くんは
信用してるよ?うん。」
「ちゃんと!ちゃんと
考えてね!!!」
「…ハイ。」
すずめのおじさん…
顔が近い…
「すずめも!」
顔、怖…
「イエス!マム!」
アイツが訳のわからん
返事をする。
「じゃあ、帰るから…」
「次いつ会えるかな。」
「またメールする。」
「うん…」
やっぱり離れ難いな。
でも一緒にいると
一線を越えそうな自分もいて。
「まむ…大輝!」
「ん?」
「いや…いいや。」
「なんだよ。」
「なんでもない。おやすみ。」
「おやすみ。…すずめ。」
オレは顔を見られないよう
すぐ背中を向けて帰った。
「はぁ。」
深くため息をつきながら。
作品名:トランキライザー 馬村side 作家名:りんりん