魔法少年とーりす☆マギカ 第四話 「ピジョン・ブラッド」
恒星から幾度も折れ曲がり伸びる、黒塗れな浅葱のバリケードテープ。 グラスレンズに見慣れた赤が撥ね付いた。 十字軍の者に負傷は無い。
ただ一人を除いて。
緋の妖光は尾を引き、打ち付けられる。 僅かに残った黒金の外壁に、砂煙を穿ち、周囲に緋を撒き散らして、漸く壊れた警告灯は点灯を止めた。 最早、点灯する理由が無くなった。
腹から吹き溢し、口から一筋が伝い… 生温かい感触と共に四肢はだらりとしな垂れ、
緋の少年は、トーリス・ロリナイティスは、意識を失った。
作品名:魔法少年とーりす☆マギカ 第四話 「ピジョン・ブラッド」 作家名:靴ベラジカ