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「はぁ。覚えることが
いっぱいだなぁ…」

すずめは風呂に入りながら
つぶやいた。

専門学校を出て、
学生のときに少しバイトした
水産会社にラッキーにも
就職できた。

もともと器用なほうじゃないので、
バリバリ仕事をするわけじゃないが、
魚が好きという情熱を
社長さんが気に入って
採用してくれたらしい。

でも周りのスタッフには
怒られてばかりだ。

さすがのすずめも
社会の厳しさに
少々凹み気味だ。


大輝は大学三年生になって
学校が忙しくなり、
平日はほとんど会えない。

研究室に入って
実験実験の毎日らしい。

日曜のバイトのない時間に
少し会えるだけだ。

「会いたいな…。」

ザバァッと風呂からあがり、
さっと拭いてタオルをひっかけ、
自分の部屋に戻ると
スマホがチカチカしていた。

「大輝だ!」


『表、すこし出れるか?』

と入っていた。

五分前!


すずめは髪をタオルで
ガシガシ拭いて
乾かしもしないで

少しブラシで整え、

パジャマをスウェットに着替えた。

鏡で自分の顔を見ながら、
顔をパァン!と叩いて

「ニヤけるんじゃない!」

と自分に言い聞かせる。

ドタドタと慌てて
玄関から出ていく。

ガチャッ

「大輝っ!」

「わっオマエ、風呂あがり?」

玄関前で大輝が立っていて
思わず飛び付いた。

「てっ!オマエなぁ!
タックルすんなって
いつも言ってんだろ?
犬か!」

「だって、お風呂で
会いたいって思ってたら
メール来てたから
嬉しくってつい…。」


「……」

「会いたいって
思ってたのかよ。」

大輝が呟いて
少しだけ赤くなる。


「充電!!」

すずめは大輝に抱きついたまま
自分の顔を大輝の胸に
埋めてグリグリした。

大輝もそっと
すずめを抱きしめる。

「オレも…。」

「うん?」

「オレも充電しにきた。
電池切れそうで。」

「へへ。一緒だね。」

すずめがかわいく笑うので
キスしようとしたら、
後ろの人影に気がついた。


「わぁっ!」


諭吉が立っていた。

「すずめ、髪も乾かさないで
風邪引くよ。
少しならいいから、馬村くんに
部屋に入ってもらいなさい。」


「えっでもこんな遅くに…。」

大輝が躊躇う。


「おじさん、いいの?!」

すずめの顔がパァッと明るくなる。


「少しだけ!少しだけだからね!
部屋のドアは少し
開けておきなさいよ?」


「すみません…」

二人がハタチになっても
諭吉の目は厳しい。

作品名:チャージ 作家名:りんりん