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靴ベラジカ
靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第五話「マギクス・トリプレット」

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 ときわ町の高級住宅地、更に外れ。 質素だが広大な庭の中に絵画の如く馴染むマナーハウス。 邸宅は大正浪漫とヴィクトリア調の合いの子と言ったキメラ的な優美を誇っていた。
 その、とある一室。 スチームパンク的技巧が凝らされたクローゼット大のサーバー、白猫のような生物、外枠の捩れたグリーフシードに似た宝飾、得体の知れぬ根やらなんやらのホルマリン漬け。 黒魔術的な丸四角三角その他曲線で構成された異様な図式が壁と言う壁に貼り尽され、元々の気品ある意匠の燭台やテーブル、書斎机と合わさり異様な不協和音を生み出していた。
部屋中央の円卓を囲む者。 ときわ中の制服に身を包んだ少年三人。 揃ってティーカップを目線に掲げたその様は、宛ら献杯の儀礼を執り行う、弔事を終えた親族であった。
 「「「エーメン」」」
少年達はストレートティを飲み干し、揃った調子でティーセットにカップを戻す。
 中指の柘榴、藍、黄緑に煌めく宝石を中央に添えた銀の指輪。

 「続きすぎだべ。 まっだぐ同じ魔女、グリーフシードが、あべつもあべつも」
 「このままならもっと続くサ」
 「だろうな」
鏡の如く磨かれたフローリングを下履きが嬌声を上げる。 円卓の上には、分厚い茶封筒と時代錯誤な折畳み式携帯。 型を取った様に同じ形状のグリーフシード一ダース。
 そして緋色のソウルジェムが点灯をやめ、献本瓶に満たされた毒々しい蛍光緑の薬液中に浮遊していた。

 「あの野郎が犯人なら、これしきで済ますかよ」
太い眉毛をした、金髪碧眼の少年は口元を鷲掴んだ。