友達以上恋人未満
「どういうことで?」
「まずはお友達から…ってやつ?」
「もう友達じゃん。」
「えっと、恋人を前提に?」
「なんだそりゃ?」
「お互い自分の気持ちも
よくわかってないからさ。
でも失いたくないじゃん。」
「失いたくないって
思ってくれてんの?
オレを?」
「一応ね。」
「じゃあ、今はそれでいいわ。」
「ん!」
カメは満面の笑みで
ニッコリした。
猿丸は思わずカメを
抱きしめた。
「猿まっ…友達は
こんなことしないよ?」
猿丸の行動に
カメがビックリする。
「恋人前提なんだろ?
これくらい許せよ。」
すぐ腕をゆるめ、
「送るわ。」
と猿丸は歩き始めた。
次の日
「亀吉ぃ、今日バイトねぇんだろ?
モンハンしよーぜ?」
「よしきた!」
放課後の教室で、
いつものように
二人でゲームをする姿があった。
「何あれ、結局
どうなったの?」
ゆゆかが不思議がって言う。
「友達に戻ったのかな?」
「さぁ…」
首をかしげながら
友人達は帰っていく。
「あ、借りてた漫画
今日返すからさ。」
カメが切り出した。
「もう読んだのか?」
「また何か貸してよ。」
「おー、じゃあ、
後でオマエん家
持ってくわ。」
「じゃあ、また後で。」
と、カメが1人で
帰ろうとすると、
「何言ってんだよ。
一緒に帰ろうぜ?」
「え…あ、うん。」
二人で帰るのも
何か変な感じだ。
周りも二人の空気が違うので、
「なんだ?お前ら、
付き合い始めたのか?」
と聞かれた。
「いんや?
付き合ってねーよ。」
と猿丸が答える。
それを聞いて
ちょっとホッとして
またいつも通りに
カメは話し始めた。
結局二人は
今楽しければいいと、
友達以上恋人未満の関係を
卒業まで続けることになる。