機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの
リーンホースJr.は、今まさに発進しようとしていた。
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コロニー外でインコムを搭載した新手のガンダムを確認したユーピテルツヴァイのパイロットは、敵ガンダムが射出したのを確認するとインコムもどきのオートロックを手動で解除した。
そしてインコムもどきのビーム攻撃をシールドで防ぎながらユーピテルツヴァイにビームライフルからビームサーベルに持ち替え接近した。
パイロットは、インコムもどきのような飛び道具への対策を知っていた。
飛び道具は、操作が難しく一歩間違えば自機を傷つけかねない代物だった。
そのためその可能性が一番高くなる接近戦に持ち込めば相手は、飛び道具が使えないということだった。
無論道具そのものを破壊できればいいがそれは、ガンダム四天王などの一部のニュータイプのみができる荒業であり一般エースができる技ではなかった。
そのためこのパイロットは、接近戦を選んだ。
敵ガンダムもこちらの考えを読んだのかビームサーベルを持ち接近してきた。
そして互いのビームサーベルが交わるとそのまますれ違った。
ユーピテルツヴァイは、前転し再び敵ガンダムを正面に捉えて接近した。
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α艦隊の艦船を支えていたアームが発進のため外された。
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敵ガンダムも左回転でユーピテルツヴァイを正面に捉えて接近した。
再び2機のビームサーベルが交わると互いに距離を取り再び2機は、接近するとビームサーベルでつばぜり合いになった。
そしてユーピテルツヴァイのパイロットは、スラスターを吹かし自分の背に目くらましように太陽がある位置になると離れビームサーベルで貫こうとした。
しかし敵ガンダムは、上昇すると背後にはインコムもどきがあった。
パイロットは、あわてて左に回避しようとしたが遅くインコムもどきのビーム砲で右腕を破壊されてしまった。
その衝撃でバランスを崩した。
敵ガンダムのパイロットは、その隙を逃さずビームサーベルでコックピット部分を貫き撃墜した。
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サオトメとアンディー大尉は、逃亡した4機の敵ガンダムを見失っていた。
「くそ、どこだ」
アンディー大尉は、必死に敵ガンダムを探していた。
「一旦退くんだ。
闇雲に出てもこっちが消耗するだけだ」
サオトメは、後退命令を出していたがアンディー大尉の耳には入っていなかった。
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その光景を撃沈したコロニー艦の残骸からネオ大佐は、息をひそめて見ていた。
「なるほどね。
これは、確かに俺のミスかな」
想定外の光景にネオ大佐は、自分のミスを感じていた。
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インパルスガンダムは、分離してからミネルバに帰艦した。
インパルスガンダムは、全高が一般のモビルスーツより高くそのままでは着艦することが不可能だった。
そのため発着艦の時は、いちいち分離した状態でなければ発進できないという問題がった。
カオスガンダム、アビスガンダムとガイアガンダムはガーティ・ルーに帰艦した。
「死んでない。
あたし大丈夫・・・・大丈夫よねステラ・・・・」
ステラ少尉は、体を震わしながら自分の無事を確認した。
「ロア・ノーク大佐より入電。
ガーティー・ルーはブルー18、マーク3アルファに進行せよとのことです」
ブリッジでは、オペレーターがイアン艦長にネオ大佐からの命令を読み上げた。
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カラミティEは、デブリから出てガンダムサイガーとガイヤス・ギヤに接近した。
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それは、サオトメも気付いた。
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α艦隊が入っているドッグの底が開いた。
「システムコントロール、全要員に伝達。
α艦隊、緊急発進シークエンス進行中。
A55デフロック警報発令。
ゲートコントロールオンライン。
リーンホースJr.、ジャンヌ・ダルク、ラー・グスタ、エイジャックス、エイブラム、セント・アイヴスおよびミッテランリフトダウン継続中。
モニターBチームは、減圧フェイズを監視せよ」
ドッグの底が再び閉じた。
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発進シークエンスは、艦内いたマン・マシーンパイロットも気付いた。
「この艦隊は、避難するのか?
コロニーの損傷は、そんなに酷いのか」
パイロットの1人が絶望交じりにコロニーの損傷を気にした。
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「発進ゲート内減圧完了。
いつでも行けます」
リーン・ホースJr.のブリッジでは、ミハイル副艦長が報告した。
α艦隊は、発進位置に着いた。
「機関始動。
α艦隊発進する。
第一戦闘配備」
マーカー艦長が艦隊の発進と戦闘配備を命令した。
「α艦隊発進。
第一戦闘配備発令、第一戦闘配備発令
パイロットは、直ちにブリーフィングルームへ集合して下さい。」
エルヴィン中尉が艦内をした。
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それは、マン・マシーンパイロットも聞いた。
「α艦隊も戦闘に出るのか?」
パイロットの1人が驚愕した。
「いいじゃないか。
俺たちα艦隊に喧嘩を売るとどうなるか思い知らせてやろうじゃないか」
パイロットは、そういうとブリーフィングルームに急いだ。
パイロットの士気は、充分高かった。
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ネオ大佐は、カラミティEから2基のガンバレルを切り離すとガイヤス・ギヤにロックした。
そしてガイヤス・ギヤを攻撃した。
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それは、アンディー大尉も気づきシールドでビームを防いだ。
「どこから?」
すると正面からビームライフルを連射する新手のガンダムが接近してきた。
アンディー大尉は、機体を上昇させ回避した。
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ネオ大佐は、カラミティEを右回転させ再び正面にガイヤス・ギヤを捉えた。
「さあ、その君も死んでもらおうか」
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サオトメは、ガイヤス・ギヤの援護に向かおうとしたとき背後に敵母艦がいることに気付いた。
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α艦隊の正面最終ハッチが開くとα艦隊は、機関を始動させ発進した。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの 作家名:久世秀一