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「これでゆるす」

って何がゆるす？！

オレがゆるされねーだろ。

マジで何やってんだ。

アイツん家から歩いて帰る途中、
何度も立ち止まっては
壁を殴ったり
しゃがみこんで頭を抱えたりした。

頬にキスとか…
しかも公衆の面前で。

なんであんなことできたんだ。


いや、アイツが悪い。

女に触れられると
赤くなるってこと、
誰にも言わねえって
約束したのに、

猫田をかばうためか知らねえが
アッサリオレを売りやがって。


そうだ、その対価だから
これくらい罰あたらねえだろ。

罰…


アイツ、どう思っただろう。

気持ち、バレただろうか。

いや、いいんだけど。別に。

むしろ気づかれなさすぎて
ムカついてたくらいだから。

これくらいやって
やっとオレのこと考えるくらいだろう。

アイツ相当鈍いからな。

「はぁ。」

明日どんな顔して会えば…

ていうか後悔するくらいなら
やるなっつー話だけど、

気づいたらしてたんだ。

なんかこう、抑え込んでた気持ちが
ぶわぁっと沸き上がって。

とりあえず、オレが
好意をもってるってことだけは
気づいてもらえるだろうか。


でも…明日のアイツの反応が怖ぇぇ。