届かない想い
翌日
「よお。」
下駄箱でアイツを見かけたので
自分から声をかけてみた。
極力普通に、普通に。
「オ、オハヨウ」
オイ、目が泳いでんぞ?
明らかに挙動不審だ。
なんかわけのわからないことを言って
どこかに行ってしまった。
今避けられた?
それも想像しなかったわけじゃないけど
ここまであからさまだとさすがに凹む。
「マジか…」
しょうがねえのか?
オレが友達のラインを
崩したんだからな。
でも…痛ぇな…
心臓を握られてる気分だ。
「はぁ。」
今日は何やっても
ため息しか出ねぇ。
「どうしたんだ?馬村
病気か?」
ケタケタと猿丸が笑って言う。
病気…そうだな。
病気の方がまだマシかも。
そんなことを思っている時、
「馬村。」
「ちょっと来て。」
避けられてるはずのアイツに
屋上に呼び出された。