届かない想い
なんとなくアイツと気まずいまま
時が過ぎる。
そんな時なぜか親父が
アイツを客として
ウチに連れてきた。
は?
なんで?
ていうか、見ず知らずのオヤジに
ヒョイヒョイついてきてんじゃ
ねーよ。
「大輝!そいつ誰?大輝の彼女?」
大地が入ってきて
無邪気に言った。
バッ
今その話題はヤベエだろ。
案の定、アイツが固まってる。
オレはコイツに
フラれたんだっつーの。
大地、あとでコロス。
「ちがうよ。」
「君のお兄ちゃんは
私にとって
すごくすごく
特別な友達なんだ。」
アイツが大地に向かって
オレのことをそう説明した。
特別?オレが?
さっきまでムカムカしてたけど、
握りつぶされそうになってた心臓が
急に離されたような、
張り付いてた氷が溶けたような、
そんな気分になった。
「今は特別な友達ってことで許す。」
フッなんで上から?
心の中で自分に突っ込む。
「あ、そーね、うん。」
アイツも自分で言って
恥ずかしかったんだろう。
キョドってる。
「バーカ」
しょうがねえから、
今はそのポジションでいいわ。
フラれたからって
なかったことになんて
できねえし。
オレはずっとそばにいたい。
そうしてオマエが
笑っていられたらいい。
そう思ったとき、
「あ、」
流れ星が流れた。
この想いは叶うだろうか。